ロックバンドU2のマネージャーであるPaul McGuinness氏が2008年、インターネットサービスプロバイダ(ISP)らは違法なファイル共有を推奨することによって利益を得ているとして非難し始めて以来、McGuinness氏の発言はバンドとしての見解なのだろうかとU2のファンらは思いあぐねてきた。
率直な発言で知られるU2のリードボーカルBono氏は先週末、この点について明らかにした。The New York Timesに掲載された論説記事の一部として同氏は、オンラインファイル共有は音楽および映画の制作者らを苦しめており、その責任の大部分は帯域幅プロバイダーにあると主張した。
「10年間に及ぶ音楽ファイル共有およびスワイピングにより、その被害者は制作者であることが明らかになった」とBono氏は記している。「この場合、若い駆け出しのアーティストで、彼らはチケットやTシャツの販売では食べていけない」(Bono氏)
Bono氏のコメントは意外なものだといえる。ほとんどのアーティストは、ほぼ10年前にNapsterを相手取って著作権侵害訴訟を起こしたロックバンドのMetallicaと同じように、ファンの心が離れるのを恐れ、公にファイル共有を批判しようともしなかった。MetallicaのドラマーであるLars Ulrich氏は、Metallicaの楽曲を無料で共有する人々に対する嫌悪を明言しており、一方で、海賊版撲滅に対する同バンドの姿勢は広く非難された。
U2はこの2年間、ファイル共有批判発言に対する攻撃がMcGuinness氏に向けられることをよしと考えているように見えた。同バンドのマネージャーを20年以上も務めているMcGuinness氏は2009年春のCNETとのインタビューにおいて、「究極的には、無料とは善者の敵である」と述べ、無料コンテンツに関わる一部の人々の反感を買った。
McGuinness氏はいつも、帯域幅プロバイダーを最も激しく非難し、「(彼らは)物事を正すための多大な責任を負う」と述べた。Bono氏は、著作権保護のためのさらなる支援を提供しないISPに対しても非難の矛先を向けた。
Bono氏は、オンライン海賊版によって最大の利益を上げているのは、ISPだと述べた。「彼らの利益の増分は、音楽業界が失った収益と完璧に一致する」(Bono氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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