Googleは米国時間11月5日、「Closure Tools」と呼ばれるプロジェクトをリリースし、同社のウェブサイトおよびウェブアプリケーション作成レベルに達することを望む開発者をサポートしていく方針を明らかにした。
Googleは、ウェブ中心のビジョンの一環で、JavaScriptを用いたウェブベースのプログラム記述を強く推進している。確かにGoogleは、「Gmail」や「Google Docs」などのサービスを通じて、JavaScriptを最大限に活用しており、より高速にJavaScriptプログラムを実行できるようにする目的もあって、「Chrome」ブラウザの開発に努めてきた。
しかしながら、JavaScriptプログラムは時に異なるブラウザ上では異なった動作をするなどの理由から、高機能なJavaScriptの記述、デバッグ、最適化は困難なものともなってきた。Googleがオープンソースで提供するClosure Toolsのプロジェクトでは、こうした難題に取り組みやすくすることが目指されている。
同ツール群の最初のものは、「Closure Compiler」と呼ばれるソフトウェアパッケージであり、より小サイズで高速に稼動するように、JavaScriptプログラムのスリムダウンを図ることができる。たとえば、「DisplayAddress()」という名称の機能は、単に「()」に置き換えられる。
コンパイラに加えて、「Firefox」ブラウザ向けには他にもツールが提供される。Firefoxの「Firebug」アドオン向けのエクステンションとなる「Closure Inspector」も、その中に含まれており、再び「()」を「DisplayAddress()」に関連付けるといった、プログラマーが新たに記述されたJavaScriptの理解を深め、デバッグできるようにサポートするものとなっている。「Google Page Speed」エクステンション向けの別のアドオンでは、プログラマーがコンパイラのサポート進行度を見極められるようになっている。
また、Googleは、「Google App Engine」サービスにホストされたウェブアプリケーションとしてコンパイラを提供する計画も立てている。
Closure Toolsの2番目には、プレ構築されたJavaScriptコードのコレクションとなる「Closure Library」が挙げられる。Closure Libraryにより、プログラマーは、配列およびストリング処理といった高度に洗練されたテクノロジを扱えるようになる。
Closure Toolsの最後には「Closure Templates」が挙げられ、JavaScriptやHTMLユーザーインターフェースの作成を容易に進められるように、あらかじめ記述されたコードが提供される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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