パイオニアは11月5日、2010年3月期第2四半期(7月〜9月)の連結業績を発表した。主力のカーエレクトロニクス製品の売り上げ減、プラズマディスプレイ事業からの撤退を受け、売上高は前年同期比で35%減の1079億円。営業損失は140億円、経常損失は153億円、純損失は367億円とした。
パイオニア代表取締役社長の小谷進氏は「ハードルは高いが、下期はカーエレクトロニクス事業の黒字化を目指す。中国、インド、ブラジルといった自動車の販売台数が回復している新興国への拡販、欧米へは競争力のある新製品を投入することにより、売り上げ増を計画している」と下期に向け意欲を見せる。
こうした取り組みを受けてか、10月29日には2010年3月期通期の連結業績の上方修正を発表している。売上高は前回予想時の4200億円から4510億円へとアップ。営業損失も同330億円から255億円、経常損失も同375億円から300億円、当期純利益も同830億円から595億円へとそれぞれ赤字幅を縮小した。
「当初400億円規模としていた外部調達資金は、業績の上振れと構造改革費用の圧縮により、半分程度にまで押さえられる見込み。構造改革の一環として進めていた関東地区の拠点集約に関しては、目黒の本社を川崎事業所へと移転する。目黒本社は早期売却を目指す」(小谷氏)と本社の売却も明らかにした。
もう1つパイオニアが積極的に推し進めているのが他社との協業だ。三菱電機とのカーナビプラットフォーム共同開発、シャープとの光ディスク合弁会社の設立、中国・上海汽車工業との合弁事業と、現在3つのアライアンスを進めている。小谷氏は「協業による効果を着実に出していけば来期の黒字化は確実と考えている」と自信を見せた。
説明会の会場では、4月に発表された構造改革施策の進捗状況についても説明した。正社員約5800人減、派遣・請負社員約4000人減を目標としていた社員数については、9月末で8215人が減少したとのこと。
また、固定費の削減、原価率の低減といったコストダウンに関しては、社内でプロジェクトを立ち上げて取り組んでいるとのこと。「通常、原価率の低減というと5〜10%程度を目指すが、今回のプロジェクトではそれを上回ることを考えている。設計、開発、生産、販売すべての部門を見直し、コストダウンにつなげていく」と取り組みを話した。
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