ドメイン名とIPアドレスの割り当ての管理を統括するInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)はトップレベルドメイン(TLD)にラテン文字以外の文字を使用できるようにする新たな計画を承認した。
韓国で会議を開催したICANNは現地時間10月30日、国際化ドメイン名(IDN)として知られるこのシステムについて、インターネットを国際化し、世界中の地域が各自の文字を使ってサイバースペースを利用できるようにすることを目指すものだと述べた。
ICANNは、IDNをインターネットが40年前に誕生して以来の「最大の技術的変更」と位置づけ、ソウルで6日間にわたって開かれた第36回国際公開会議(10月25日-30日)の最終日に満場一致でこの計画を承認した。
IDNは、中国語、アラビア語、ギリシャ語など、各地域の母語でドメイン名を記述することを認めるものだ。ICANNはドメイン名の管理団体として、英語を理解しない地域の人々のウェブ利用を拡大するためにIDNが必要だと主張してきた。インターネットではその誕生以来、米国と他の多くの国々で使われているラテン文字しか使用できなかった。
ICANNの会長であるPeter Dengate Thrush氏は、声明の中で次のように述べた。「来たるべき非ラテン文字の導入は、インターネットが40年前に誕生して以来最大の技術的変更となる。現在、インターネットアドレスのTLDにはAからZまでのラテン文字しか使用できない。しかし、(IDN ccTLD)ファストトラックプロセスは、世界の言語から10万文字をドメイン名としてオンラインに持ち込むための第1歩だ」
この新計画を促進するために、ICANNは11月16日にファストトラックプロセスを立ち上げ、各国から自国の文字体系を使った新しいTLDの申請受付を開始する予定だ。
この変更は当初、韓国の「.kr」やロシアの「.ru」などの国別コードTLD(ccTLD)にのみ適用される。「.com」「.net」「.org」のような分野別のTLDに関しては、しばらく非ラテン文字は使えない。しかしICANNは、分野別のTLDについても前進を推し進めており、近いうちにIDNに組み込みたいと望んでいる。
ICANNはIDNについて長年議論を重ねてきた。その間、新しいシステムを始動するために、多くのテストや開発、国際協力が必要とされた。
Thrush氏は次のように述べた。「これは、ICANNコミュニティーによる長年の作業、テスト、研究、そして議論の頂点だ。これがようやく実施に向けて始動するのを目撃することは、インターネットおよびその利用者に歴史的な変化が始まるのを目にするということだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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