Googleは米国時間20日、ライバル各社を出し抜き、ウェブユーザーを囲い込むことを目的に、カスタムアカウントの提供を開始した。このアカウントがあると、ユーザーは自分が過去に検索した結果のなかから情報を探し出すことができるようになる。
同社が公表した「My Search History」は、以前からあるYahooの「MyYahoo」やMicrosoftのMSNなどを手本とした新たな実験サービス。しかし、株価/見出し記事のカスタム表示といった典型的な個人ポータルサービスとは異なり、GoogleのMy Search Historyは個人の検索履歴を保管し、あとからそれを呼び出す機能に特化している。
Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントAlan Eustaceは、「われわれはユーザーとの関係を築いており、その関係を深め、より多くの情報を提供することはユーザーの利益につながる」と語っている。
同社の検索履歴機能は、Yahoo、Ask Jeeves、Amazon.comのA9といった多くのライバルより立ち後れている。アナリストによると、革新に向けた激しい戦いを繰り広げる検索サービスプロバイダーのトップにあって、同社はこれまでこの部分に弱点を抱えていたという。Googleは、デスクトップ検索ソフトでは同様の履歴検索機能を提供していたが、しかしウェブから利用できるものはこれが初めてとなる。
Search Engine Watchの編集者Danny Sullivanは、「GoogleのMy Search Historyは、投入こそやや遅れたものの、主要各社が出している同様の機能のなかで実用に使える初めてのもので、しかもウェブ検索と統合されている。昨年は、どの検索エンジンでもこのような機能を提供することが必要になった」と述べている。
Googleの新サービスは、過去に検索した項目のリストから、ウェブページのテキスト全体を検索する。そして、関連する検索履歴の記録を表示し、指定された日の検索作業の記録をグラフィカルな表にまとめる。最も重要なのは、同サービスがウェブ検索と自動的に統合される点だ。これにより、利用者が申し込みを行ってログオンすれば、ウェブの一般的な情報の横にユーザーごとにカスタマイズされた履歴が表示されるようになる。
Googleによると、一般利用者のプライバシーに配慮して、検索履歴データはパスワードで保護され、自社サーバ上に安全な形で保管されているという。また検索のトラッキングを一時停止したり、履歴からレコードを削除することもできる。
ただし、Googleの新しいアカウントは「クッキー」を利用して個々のコンピュータを識別する仕組みで、そのためにこれまでは匿名で行われた検索が、広範囲をカバーする検索プロファイルの一部に組み込まれることになる。
「グーグルのクッキー使用は、他のサイトがやっていることと大差はないが、しかしこのことから検索にはプライバシーに絡む問題があるという事実に改めて気付く人が出てくるかもしれない」(Sullivan)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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