ZillionTVという新興企業が、新しいテレビサービスを間もなく開始する予定だという。そのサービスとは、ケーブルテレビや衛星放送の加入者がそれまでの契約を解約し、インターネットから視聴料(サブスクリプション)不要で映画やテレビ番組を入手して手持ちのテレビで見ることができるというものだ。
米国時間3月4日に正式に設立された同社は、すでにDisney、20th Century Fox Television、NBC Universal、Sony Pictures、Warner Bros. Digital Distributionといった、大手のハリウッド映画スタジオやテレビネットワーク数社と契約を締結している。
同社の計画は、ブロードバンド接続を利用して映画とテレビ番組を直接テレビにストリーミング配信するというものだ。同社では、イーサネットケーブルまたはWi-Fiを介してテレビとインターネットの間を接続する「Z-bar」という小型ハードウェアを製作した。Z-barは、同社独自のリモコンの受信機としての機能も果たす。このリモコンの動作はレーザーポインタによく似ていて、センサ技術を利用してテレビ画面上のコンテンツメニューのナビゲートを可能にするものだ。
ZillionTVサービスは、現在ベータテスト中で、サービスの提供はインターネットサービスプロバイダーを通じてのみ行われる。商用開始は2009年第4四半期となる予定だ。
インターネットからテレビに配信するサービスは、Netflixの映画レンタルサービスなどいくつかあるが、ZillionTVサービスではそれらのサービスと異なり、視聴料(サブスクリプション)が必要ない。また、Microsoftの「Xbox 360」、Appleの「Apple TV」、さらにはRokuの99ドルのデジタルビデオプレーヤーといった、高価なボックスを購入する必要もない。その代わり、利用者は50ドル足らずのわずかな初期登録料を支払うだけで、Z-barとリモコンを手に入れることができる。そして月額視聴料が発生する契約を締結する必要なく、同サービスを通じて最大1万5000タイトルものテレビ番組と映画を視聴できる。
ユーザーは、3つのコンテンツ視聴方法の中から1つを選択する。少額のレンタル料を支払って映画やテレビ番組をCMなしで視聴するか、コンテンツを「購入して所有する」か、ターゲット広告つきで無料で視聴するか、のいずれかだ。
広告つき視聴を選択したユーザーに表示される広告は、短いものだという。映画では本編の前と後に表示され、本編の途中で挿入されることはない。テレビ番組の広告は自然な区切りとなる箇所に挿入されるが、現在通常のテレビ放送で放映されているCMの半分程度になるだろう、と同社は述べている。
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