サンフランシスコ発--Facebookを説明するのに「ウィジェットプラットフォーム」や「ユニバーサルログイン」という言葉ほどぴったりな説明はないが、米国時間4月21日に開催の同社デベロッパーカンファレンスf8での一連の発表によって、このソーシャルネットワークが始まって以来最も大胆な動きのいくつかが明らかになった。
今回Facebookには、パートナーサイトからより多くの情報を引き入れ、反対により多くのソーシャルメディア機能を送り出す、より強力なパイプがより深く設置された。その1つ「Open Graph」は、その前身の「Facebook Connect」よりもはるかに複雑な方法で、サードパーティーのデータをFacebookに統合する。「Social Plugins」では、サードパーティーのパブリッシャーがいくらかのソーシャル機能を追加できる。そして改良された「Graph API」によって、Facebookのプラットフォームコードが大幅に作り変えられ、シンプルさと柔軟性が増す。
f8ではもう1つ、「Facebook Presence」という始まったばかりのRFIDベースのプロジェクトが登場した。このFacebook Presenceに関するプロモーション資料の1つは、「これから行くところには、道なんか必要ない」という「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の台詞を引用していた。これはどこか皮肉なものだ。というのも、実際には、Facebookはソーシャルウェブにある種の道が必要であることを知っており、自身をそのインフラストラクチャの建設者兼管理者に任命したからだ。
この影響はあらゆる人に及ぶだろう。最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏の基調講演のためにSan Francisco Design Center Concourseのホールを埋め尽くしたデベロッパーから、デジタルパブリッシャーやほかのソーシャルメディアサイト、そしてFacebookの4億人以上のユーザー1人1人までだ。また、永遠のソーシャルウェブの基礎を築こうとツールを作り上げた(あるいは今作っている)ほかの企業にとっては、方向性の若干の変更を意味することになりそうだ。そのような企業とはつまり、TwitterとGoogleのことだ。
実際、Facebookの経営陣が発表したコンセプトの多くは、まったく新しいアイデアというわけではない。少なくとも理論的には、「Google Friend Connect」やMeeboのチャットバー、Diggのサムアップボタンまで、あらゆるものから借りたアイデアだ。しかしFacebookは再び、時にはAppleと比較される同社のマーケティング、エンジニアリング、デザインの専門知識を混ぜ合わせて、ウェブデベロッパーとウェブパブリッシャーに対し、「他社もできるが、われわれはもっとうまくできる」という巧妙なメッセージを投げかけている。そして、人々はそのメッセージを受け入れている。
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