テレビメーカーや映画スタジオ各社が、映画を見る人たちに、3D眼鏡をかけるのもそう悪いことではないと思わせようと躍起になっているところに、任天堂がさらなる圧力をかけてきた。
任天堂は米国時間3月22日、何の前触れもなく、同社の人気携帯型ゲーム機の新バージョンを販売する計画だと発表した。新バージョンは3Dスクリーンを搭載し、特別な眼鏡を必要としない。これは一大事だ。そして、今後1年のうちに他のデバイスの形でこのような3Dスクリーンを出してくるメーカーがさらにあるだろうということを意味している。
この「ニンテンドー3DS」が実際にどのように機能するかは分かっていない。任天堂は、現時点では詳細について口を閉ざしているが、6月にロサンゼルスで開催されるゲームカンファレンスElectronic Entertainment Expo(E3)2010で、より詳しい内容を明らかにする予定だと言っている。
それでも、いくつかの点をつなぎ合わせることはできる。DisplaySearchのディスプレイ技術担当ディレクターJennifer Coleman氏によると、3D表示が可能な4インチのディスプレイが2つ搭載されるようで、視差バリア技術というものが利用される可能性があるという。視差バリアディスプレイは、1つの液晶ディスプレイをもう1つのディスプレイの下に重ねて利用するものだ。各ディスプレイにはごく細い縞模様が表示され、一部のピクセルは左目だけ、別のピクセルは右目だけにしか見えないよう、特定のピクセルが隠される。それにより、右目と左目がそれぞれの映像を受け取ることで、眼鏡をかけなくても3Dの錯覚が起きる。
Coleman氏は、日立製作所とシャープがここ数年、日本と韓国で、携帯電話とノートPCに視差バリアディスプレイを採用していることから、どちらかが任天堂のサプライヤーになるかもしれないと推測する。
これは非常に良いタイミングだ。3D市場は活況を呈しており、3D映画は大きな興行収入を集めている。また、テレビメーカーは3D形式を推し進め、新しい3Dチャンネルも登場することになっており、初の3Dデジタルカメラが既に販売されている。
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