Appleの幹部が米国の4大レコード会社に、音楽ストリーミングサービスを消費者に無料で提供する計画について話をもちかけているという。複数の音楽業界の情報筋が米CNETに語った。
Appleの経営陣は、同社の計画について詳細をあまり明らかにしていないが、「iTunes」ユーザーに対して、自身の音楽ライブラリのコピーをAppleのサーバに保管する手段を提供しようという議論をしている。そうなればiTunesユーザーには、音楽をバックアップすることや、インターネットに接続されたあらゆる機器からウェブ経由で、おそらくは世界中のどこからでも、楽曲にアクセスできるといった利点があるだろう。
どうやらAppleの楽曲ダウンロードは影響を受けないようだ。Appleは音楽業界の幹部に対し、同社はストリーミング機能をダウンロード販売の促進に有効な「価値付加」と見ている、と語っている。Appleは交渉の中で、このストリーミングサービスは2010年の春にも開始する準備ができるだろうと示唆している。
Appleが米国時間1月27日に予定のプレス向けイベントでストリーミングサービスを発表するのは、可能性は低いが、ありえないことではない。そのイベントでは、Steve Jobs氏率いるAppleが新しいタブレットデバイスを発表すると一般に予想されている。今回の交渉に詳しい情報筋によると、Appleはまだ、この計画の詳細を4大レコード会社に明らかにしていないという。この種のストリーミングサービスを提供するためには、たとえそれが、ユーザーがすでに購入した音楽を保管し配信するものだとしても、Appleはレーベル各社と交渉して新しい合意を結ぶことが必要になるかもしれない、と情報筋は語る。
Appleの広報担当者はコメントを控えた。
Appleは2009年12月、苦戦していた音楽ストリーミングサービスLalaを買収し、iTunesファンの好奇心をくすぐった。それ以来、多くの人が、AppleはLalaとその経営陣を活用して、音楽ストリーミングと、そしておそらくはビデオストリーミングにも役立てる計画だろうと考えている。MP3.comの創設者で、テクノロジ分野でよく知られた論者の1人であるMichael Robertson氏は1月19日、TechCrunchに次のような記事を書いて、さらなる考察を呼び起こした。「Appleは、Amazonなどを打ち負かすという野心的な動きとして、自社のユーザーをほとんど一夜にしてクラウド音楽サービスにアップグレードする計画だ」。同氏は匿名の音楽業界の情報筋を引き合いに出している。
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