カリフォルニア州マウンテンビュー発--「Google Phone」のことはもう忘れよう。「Nexus One」は、モバイルコンピューティングの発展に向けたGoogleの長期戦略における一時的なできごとにすぎない。
「Googleは米国時間1月5日の『Android』のイベントで、Googleが設計しGoogleが小売りを行う携帯電話を発表して、すばやい一撃によって(Appleがまさにそれを行った2年半後に)スマートフォン市場をひっくり返そうとしている」と考えた人がいても、しかたのないことだろう。これは結局のところ、そうなるだろうと同イベントの前にインターネットで言われていたことだ。
だが5日、Google本社43号棟で実際に登場したのは、ありふれたAndroid携帯電話だった。確かによいものだが、ハードウェアはスマートフォンメーカーHTCがすべてを設計し、ソフトウェアの機能は「Droid」など高度なハードウェアを持つほかのAndroid携帯でもすぐに利用できるようになるだろう。実際のところは、多くのコンピュータ関係者が見たがっているような、Appleに対抗するしゃれた「iPhone」キラーというほど魅力的なものではないかもしれない。しかし、これはGoogleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏がテクノロジ業界での生涯において、競争について教訓を学んだ証しだ。
Googleがやろうとしているのは、オープンなアプリケーションストアが利用でき、さまざまなチャネルを通じて販売され、オープンソースOSで稼働する、オープンな携帯電話を強調することにより、数年をかけてAppleを徐々に手元に引き寄せることだ。さらに言うと、米国における携帯電話の販売方法を、全く新しく作りかえようとすることにほかならない。
そのためには、Googleはこれから2つのことをやらなければならない。まず、ワイヤレスキャリアがコントロールしないスマートフォンの販売チャネルを、消費者が喜んで受け入れることを示す必要がある。ワイヤレスキャリアは、消費者からの要求によってそうせざるを得ない限り、携帯電話の接続と価格の門番の役を降りるつもりは全くないだろう。さらにGoogleは、iPhoneを阻止する役割を果たす、魅力的なモバイルソフトウェアも作成し続けなければならない。
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