The Wall Street Journal(WSJ)(有料会員登録が必要)が米国時間12月11日に報じたところによると、Appleは音楽サービスのLalaを買収したとき、Googleと入札合戦を繰り広げていたという。Appleが8500万ドルの支払いに同意した理由も、これで説明が付く。筆者(やそのほかの人々)は、つきに見放されている新興企業に支払う金額としてはあまりにも高額すぎると考えていた。
しかし、音楽分野の一部の人を驚かせたのは、Appleが何らかの音楽ストリーミングサービスを開始する計画を検討しており、その新サービスの監督役としてLalaの経営陣に助けを求めているということだ。筆者が10日にインタビューした複数の音楽業界情報筋は、Lalaの会長で創設者でもあるBill Nguyen氏が「iTunes」でどのようなポストに就くかについて、さまざまな意見を述べた。しかし、ほぼ全員が、Appleの計画が実行に移された場合、Nguyen氏とそのスタッフは新サービスに大きな影響を持つことになると述べている。
テクノロジ分野における最もあり得ない立身出世物語が今、われわれの目の前で展開しているのかもしれない。
考えてみてほしい。Appleは、人々が音楽を購入して聴く方法を変革し、2009年にiTunesで20億ドルの売上高を達成しようとしている、大胆不敵な有力音楽企業だ。そのAppleが、何年もデジタル音楽の領域を探し回り、何度もビジネスモデルを変更し(結局利益を生むものを見つけられず)、自社をほとんど差別化できなかった企業に助けを求めているのだ。
これはLalaの音楽分野における業績だけを見ると、New York YankeesがマイナーリーグのLehigh Valley IronPigsからアドバイスを受けているようなものだ。
Lalaはデジタル音楽についてAppleに何を教えられるのか、というのが大きな疑問だ。
AppleおよびLalaの関係者は何も話していないが、今回の買収についてまず知っておくべきことは、まだ何も確定していないということだ。WSJは、この計画はまだごく初期の段階にあり、変更される可能性があると報じている。筆者の知る音楽情報筋によれば、Appleは4大レーベルのいずれとも、ライセンス契約の変更についてまだ話をしていないという。Appleが何らかの新サービスを立ち上げるとすれば、ライセンス契約の変更が必要になるだろう。
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