「iPhone 3GS」は、より高速でパワフルになったプラットフォームでゲーム開発者たちへのアピールをすでに始めているが、そのプラットフォームを最大限に活用したゲームが多数開発されて「App Store」にあふれることは期待できない。まだ今のところは。
Appleの最新のモバイルデバイスiPhone 3GSは、発売後最初の週末で100万台売れたとはいえ、すでに合計4000万台売れている初代「iPhone」と「iPhone 3G」および2世代の「iPod touch」に比べれば、まだ基本的にはニッチ製品だ。従来の製品では、新しいiPhone 3GSほどの効率とスピードでゲームをプレイすることはできない。
要するに、iPhone 3GS向けのゲームの時代が本格的に到来したと宣言するには、まだ早すぎるということだ。ゲームメーカーの中には、まだこの新しいデバイスを活用したゲームを作る時機を待っているところもあれば、作るつもりがまったくないところもある。最新のダウンロードを求めてAppleのApp Storeを隅々まで探し回るような、現時点ではまだ少数派にすぎないユーザーに特化したことをするのは「賢明ではない」と言う人もいる。例えば、iPhone向けゲーム「Peggle」や「Bejeweled」を提供しているPopCap Gamesは、iPhone 3GSで読み込み時間が短縮されることは同社のゲームにとって利点ではあるが、iPhone 3GS専用のゲームを作る計画はないという。
当面は様子見というこのようなアプローチを予想外だと感じる人もいるかもしれない。iPhone 3GSは、基本的にiPhone 3Gのアップデート版だ。「S」は「speed(スピード)」を表すと言われている。確かにiPhone 3GSは、より高速なプロセッサと、3Dレンダリングを処理できる「PowerVR SGX」グラフィックチップを搭載し、2Dおよび3Dグラフィック作成に使用される標準「OpenGL ES 2.0」もサポートしている。また、ほかのApple製モバイルデバイスと異なり、磁気計とビデオカメラも搭載している。
6月に開催されたAppleのWorldwide Developers ConferenceでiPhone 3GSが世界初公開されたとき、Appleのマーケティング責任者Phil Schiller氏は、iPhone 3GSではゲームのパフォーマンスが向上する、と請け合った。また開発者たちが順にステージに招かれて新しいデバイスのためのアプリのデモを披露したが、教育、健康、ゲーム、電子ブック、音楽のカテゴリのうちゲームについてだけはデモが繰り返された。
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