スピードが売りの「iPhone 3GS」、ゲーム開発も加速するか - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年07月08日 07時30分

 PopCap Gamesは、iPhone 3GSによってもたらされるチャンスにかかわらず、グラフィックを駆使したアクションゲームではなく、今後もカジュアルゲームを作っていく意向であると、同社ビジネス開発担当ディレクターAndrew Stein氏は述べている。

 「当社の理念は、テクノロジがそこにあるという理由だけでそれを利用することではない。またもう1つ念頭に置くべきなのは、iPhone 3GSは100万台売れたが、市場にはすでに4000万ものデバイスがあるということだ。3GSだけに特化してしまうと、その時点で潜在的な巨大市場を手つかずのまま残してしまうことになる」(Stein氏)

 独立系開発者Kuan Yong氏はすでに、同氏が開発したゲーム「AirCoaster 3D」の更新に懸命に取り組んでいる。AirCoaster 3Dは、App Storeで2月以来10万件が販売された3Dジェットコースターシミュレーションだ。従来のiPhoneとiPod touchでは、加速度計を利用して、プレーヤーがジェットコースターの軌道の上で勢いをつけることができるようにしている。しかし最新のiPhone 3GSでは、磁気計が内蔵されているため、コンパスのように、垂直軸と水平軸で回転する動きに合わせて傾いた画面を表示することが可能だ。

 Yong氏はすでに、更新版のiPhoneソフトウェア開発キット(SDK)を使用し、動作するデモを作成しており、ビデオをウェブに公開している。しかし、App Storeでの販売を是が非でも急ごうとはしていない。

 「(ユーザー全員の)アップグレードが済んでいるわけではないから、少し待つのもいいと考えている。3GS専用のアプリを作ることも可能だが、100万人しかユーザーがいないのであればそれほどいい考えとは思えない」(Yong氏)

 したがって、iPhone 3GSが発売されてからすでに1週間と少したち(本稿執筆時点)、開発者たちは明らかにこの新しいデバイスがゲームに何をもたらすのかに熱心に注目している(発売初日の行列でわれわれが会った人々の多くは独立系ゲーム開発者だった)ものの、超パワフルで強烈な3Dグラフィックスが本格的に盛んになるのは、それを実行できるデバイスがもっと多く市場に出回ってからになるだろう。iPhone 3GSの販売台数が今後増えることは確かだが、過去のiPhoneモデルの販売実績から何かを読み取れるとしたら、ゲーム開発者たちにとっての市場を一気に広げるのはiPhoneではないだろう。

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