Microsoftが「Windows 7」について最初に公表することにしたのがタッチ入力機能のサポートだったのには、理由がある。
2本の指を使って、回転やスクロール、ズームができるこのビルトイン機能は、Windows 7がその前のバージョンとは違うことの明確な証拠を示すからだ。Macには見られない機能であることは言うまでもない。
しかし、Windows 7搭載PCのユーザーで、実際に手を伸ばしてスクリーンをタッチする人は比較的少ないだろうという意見が多い。それは、自分の指をそのような方法で使うには、このテクノロジをサポートできるスクリーンが必要になるからだ。そうしたスクリーンは、PCの価格をさらに100ドル以上高くするものであることが多い。
結果として、米国時間10月22日にWindows 7が米国で店頭に並んだ後でも、タッチ機能を備えたコンピュータは、デスクトップPC市場やノートPC市場のほんの一部にしかならないだろうと、多くの人が予想している。
IDCのアナリストであるRichard Shim氏は、「2010年では、出荷数の5%から10%程度と考えている」と言う。さらにShim氏は、状況が変わらない限り、今後数年間はこの割合が大幅に増加することはなさそうだと語る。
携帯電話市場では、指でスクリーンに触れることが格好良さを測る事実上の尺度になっているにもかかわらず、PCでは、タッチ機能向けのキラーアプリケーションがないことが問題の一部になっている。
だからといって、タッチスクリーンデバイスを販売することへの関心がないわけではない。Hewlett-Packard(HP)は2007年に、オールインワン型の「HP TouchSmart PC」を発表した。同社は現在、デスクトップPCとノートPCの両方でタッチPCモデルを発売している。Dellは、ビジネスユーザーをターゲットとした「Dell Latitude」を販売しているほか、タッチスクリーンオプションを選択できるオールインワン型PCも発売している。
そして、Windows 7が発売されれば、Microsoftが多くの作業を済ませてくれたのだから、他社もきっと後に続くだろう。Shim氏は、秋にWindows 7が登場すれば、大手PCメーカーのほとんどすべてが、タッチスクリーンモデルを少なくとも1つ販売するだろうと述べる。モニタメーカーも、標準的なPCに接続できるタッチスクリーンディスプレイを発売すると予想されている。
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