Appleは米国時間6月8日、同社開発者会議Worldwide Developers Conference(WWDC)の開幕を飾る基調講演で多くの発表を行ったが、結局名前の挙がった新製品よりも、Appleがここで言わなかったことの方が興味深かったということになるかもしれない。
13インチユニボディモデルの「MacBook Pro」への昇格と、MacBook Proファミリーの値下げは確かに話題となった。しかしAppleは別のこともしている。ノートブックの中で、小型の999ドルのホワイト「MacBook」のみを純然たるMacBookとして残したのだ。銀色のユニボディMacBookを購入するという選択肢はなくなった。ほかのノートブックはすべてMacBook Proとなり、Appleのハイエンドノートブックの購入を望まない人にとっては、選択肢がほとんどなくなってしまった。
これは何を意味しているのだろうか。Appleは準備が整っていない製品について語ることはないが、このわずかな変更によって、同社は将来登場する製品について、興味をそそるような可能性を示唆しているのかもしれない。
999ドルのホワイトMacBookは、現在Appleが販売するノートブックの中で最も安価なモデルだ。またこのモデルは、1枚のアルミ板から削り出された、銀色のすっきりしたデザインの「MacBook Air」やMacBook Proと比べると、少しばかり場違いに見える。さらに重要なことは、Appleの製品ラインアップにおいて、299ドルの「iPhone」および「iPod touch」と、999ドルのノートブックとの間に大きなギャップがあることだ。
Appleが、物議を醸しているタッチスクリーンタブレットによって、このギャップを埋めることもありうる。もちろんAppleが、このタブレットの開発を進めていると実際に口にしたことは一度もない。もし開発が進んでいるとしたら、このタブレットにMacBookの名前を付けるのは、確かに理にかなっている。主な用途が、電子書籍を読んだり、文書を閲覧したり、ビデオを見たりするためのポータブルデバイスであるならなおさらだ。
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