わたしは米国5月11日の半日をかけて、Google ChromeがベースにしているオープンソースプロジェクトであるMac OS X版Chromiumを試してみた。私は好印象を持った。
Chromiumのウェブサイトからダウンロード可能なこのソフトウェアは、プログラマーが加えた最新の変更をすべて反映している開発者向けバージョンではありがちなことだが、不完全でバグが多い。しかしこのソフトウェアは、あまり多くを望まないMacユーザーにとっては、全体としては確かに動くし、このオープンソースブラウザのWindows版で私が気に入っている要素がほの見えるものになっている。
わたしが使ったのは太平洋夏時間の午前8時にリリースされたビルド15752だが、Chromeの開発がどのようなペースで公開されているかについて雰囲気を知ってもらうために書いておくと、この後12時間も経たない間に、19の新しいバージョンが公開されている。
したがって、このソフトウェアは、よくテストされた、成熟して安定するだけの時間を経たものとは、とても言えない。しかし、好奇心の強いMacユーザーが試してみることができる程度には、良いものになっている。
15年ほど前、ウェブブラウザが革命的な技術だった時代があった。Googleのブラウザは決して革新的な技術ではないが、私の意見ではChromeには確かに見所がある。立ち上げ、ページの読み込み、ウェブベースのJavaScriptプログラムの実行は高速で、邪魔にならないユーザーインタフェースを持ち、検索ボックスとウェブのアドレスバーを兼ねたOmniboxは便利だ(ただし、Omniboxは便利なツールというよりはプライバシーの侵害だと見ている人も多いことには注意が必要だ)。
これらの利点だけでは、新しいブラウザを多くの人にインストールさせるには不十分であり、デフォルトブラウザを変えさせるのはさらに大変なことだ。しかし、技術に熱心なユーザーであれば試してみるべきだし、Googleの底力と同社がChromeを使ってウェブアプリケーションの最先端を推し進めるという野望を掲げていることを考えれば、ウェブ開発者もこのブラウザについて真剣に検討すべきだろう。
Googleはこのプロジェクトに非常に力を入れており、多くのプログラマーに資金を提供し、テレビCMに金を払い、売り出しのための活動を行うなどしてChromeを押し出している。Googleの動きは速く、Chromeはライバルブラウザの機能に追いつきつつある。
ここで、現在のChromeが抱えている、やるべきことのリストを挙げてみよう。まずは拡張機能で、Chromeの場合、これはウェブページのコーディング方法を再利用するのだが、これはだんだん成熟してきており、いずれは現在のような未発達の状態よりもずっとよいものになるだろう。また、ブラウザの見た目をカスタマイズすることができるテーマが使えるようになるまでには、長くはかからないだろう。この技術は5月9日にリリースされたバージョンで初お目見えしており、いずれこれはChromeの新しい開発者向けバージョンになると思われる。
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