ここに難題が1つある。豚インフルエンザのような大流行する可能性のある病気をめぐって、世界中が混乱状態に陥っているときに、その問題をからかってやりたいと思っている人は、どうしたらいいのだろうか。
Jude Gomilla氏とImmad Akhund氏にとってその答えは、2週間ほど前に一晩だけ徹夜をすることだった。その夜、この2人のサンフランシスコ在住の起業家は、「Swinefighters」という大人気になったFlashゲームを作成した。
Swinefightersでは、プレーヤーは巨大な注射器を振りかざし、マスクを着けた医者の格好をしていて、あざ笑う豚の姿をした凶暴なウイルスを全滅させる任務を負っている。注射器で豚を打つとその豚は死ぬ。目標は、20秒間にできるだけ多く豚を退治することだ。Swinefightersでは、全プレーヤーが退治した豚型ウイルスの総数が表示されるため、このゲームが公開されてから合計で約1450万個のウイルスが退治されていることが分かる。
こうした種類のゲームは、Swinefightersだけではない。実際にここ数カ月で、「ニュースゲーム」と呼ばれるものが急増している。これは、ごく最近の世界中を駆けめぐった大ニュースをもとにした、Flashベースのちょっとしたゲームのことだ。こうしたニュースゲームでは、George W. Bush前大統領が靴を投げつけられた事件や、US Airways 1549便の不時着水事故、英国の金融救済策、そしてBritney Spearsが坊主頭にしたことにまで風刺の対象とされている。そして次に登場するのは、Bernard Madoff氏のスキャンダルをパロディー化したゲームで、数日中に公開の見込みだ。このゲームでは、プレーヤーは自分自身のねずみ講を運営することができる。
こうした前提は、問題があるという域を越えているとする人もいるかもしれないが、ゲームを作成した人々は(当然のことながら)どんな社会的タブーも破っていないと考えている。
「わたしにとっては、それは少しおかしなことだ。このようなゲームの趣旨は多くの場合前向きなものなのに、問題があると考える人がいるからだ。ほとんどのものは、ユーザーがなりたいと思っているものを表現している。ユーザーは、飛行機を着陸させるヒーローになったり、ウイルスをやっつけたりしたいと考えているが、(自分自身では)政治的決断ができない。(だから)ばかげた方法で、ゲームをして欲求不満を発散することができるのだ」(Gomilla氏)
ほかには、憤慨している人々は論点がずれているか、過剰に反応していると感じている人もいる。結局のところ、誰も空飛ぶデジタルの靴で傷ついてはいないのだ。
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