2000年、MicrosoftにはGoogleキラーとなる独自のサービスがあったが、本格稼動を前にそのプロジェクトは中止となった。その理由は何か。自社のほかの収益源と「共食い」になることを恐れたためである。
Wall Street Journal(WSJ)が、検索分野でのMicrosoftの失敗について興味深い記事を掲載した。その要旨は次の通り。
(Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve)Ballmer氏は今後数カ月の間に、1年間に及んだ、数十億ドル規模のYahooのウェブ検索事業買収計画を再開すると見られている。しかし、Ballmer氏が収益性の高いGoogleのビジネスからシェアを奪おうと迫る裏には、語られないある物語が存在する。10年近く前、Ballmer氏がCEOとなって間もないころ、MicrosoftにはGoogleに類似した事業があったが、同社はその事業を打ち切ってしまった。
2000年、Googleがウェブ検索と広告を組み合わせる前、Microsoftは「Keywords」と呼ばれる初歩的なシステムを保有していた。Googleと同じくウェブ検索と広告が組み合わされたものだ。契約を結ぶ広告主も出始めていた。ところがMicrosoftの経営陣は、同社のほかの収益源との共食いを恐れたこともあって、そのサービスを2カ月後に閉鎖してしまった。
WSJはさらに、2003年にMicrosoftがOvertureの買収に失敗したことも取り上げている。そのOvertureをYahooが買収して、有料検索ビジネスに乗り出して行ったのである。これにYahoo買収の失敗を加えると、MicrosoftにはGoogleに対抗する手段が3つあったことになる。
確かに興味深い話だが、いくつか指摘すべき点がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス