グーグルが仕掛けたオープン化構想--「Android」は生き残るか?

文:Marguerite Reardon、Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:アークコミュニケーションズ、大久保崇子、國分真人2007年11月14日 18時00分

 Googleの新しい携帯電話用ソフトウェアが携帯の世界を一夜にして、あるいは近いうちに変えてしまうとは、考えないほうがよさそうだ。

 Googleは米国時間2007年11月5日、携帯電話へのオープンなアクセスをアプリケーション開発者に提供する最新のソフトウェアプラットフォーム、「Android」を発表した。これと同時に、Androidを利用した携帯電話やサービスの開発に共同で取り組む多国籍アライアンス、「Open Handset Alliance」の設立も発表された。これには半導体メーカーや携帯電話メーカー、携帯電話事業者などの計34社が参加している。

 Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏が11月5日の記者会見で発表したところによると、ソフトウェア開発キットは米国時間11月12日にリリースし、Android携帯電話の販売開始は2008年後半に予定されている。

 Googleの携帯市場参入に関する憶測はこの数カ月間飛び交っていた。しかし今回の発表によって、Googleは単に斬新な携帯電話を提供するというのではなく、はるかに野心的な構想を抱いていることが明らかになった。Googleは無料のオープンソーステクノロジを採用し、数十におよぶ電話会社ネットワーク上で何百種類もの携帯電話に展開できるアプリケーションを新規に開発しやすくして、携帯市場を生まれ変わらせようともくろんでいる。

 Googleが目指しているのは、従来型のインターネットに同社がもたらしたメリット、つまりウェブ上のコンテンツに体系的かつ簡単にアクセスできるようにするというメリットを携帯市場にもたらすことだ。要するに、携帯電話を使ったウェブサーフィンの表示や操作性を家庭用PCを使ったウェブサーフィンに限りなく近づけるということを意味する。

 しかしその野心の大胆さとは裏腹に、Androidの前に立ちはだかる障壁は決して少なくない。まず、携帯電話会社が自社のネットワークにオープンなデバイスを取り入れることに協力的でなければならない。Androidはまた、市場に既に定着している多数のモバイルOSと競争しなければならない。

 Forrester Researchのアナリスト、Charles Golvin氏は次のように語っている。「Open Handset Allianceの活動が携帯市場に多大な影響を与えることは確実だが、そのペースは緩やかなものとなるだろう。Androidプラットフォームを搭載した最新デバイスが続々と登場したとしても、市場全体に占める割合が小さいことに変わりはない」

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