成熟しつつある数々のテクノロジが、geography(地理)という新たな次元をデジタル写真革命に追加しようとしている。
現在、デジタル写真は撮影日時に基づいて検索される。しかし、「geotag(ジオタグ)」と呼ばれる誕生したばかりのテクノロジは、撮影日時ではなく撮影場所にしたがって写真を整理できるようにする。
Mark Gillespie氏は、デジカメ写真の整理方法を撮影日時ベースから撮影場所ベースに切り替えた。写真家であるGillespie氏は、妻とともに「Noir et Blanc Photographie」というサイトを運営している。2人は最近、オーストリアとイタリアへの旅で5000枚もの写真を撮影した。
「GPSログがあればよかったのに、と思った。小さな村や山の風景の写真には、撮影場所を思い出せないものがある。GPSログがあれば思い出せる」と言うGillespie氏は、この問題に対応するために今はgeotagを使っている。
現在のところ、geotagは記憶力に自信のない人のためのものではない。geotagには、全地球測位システム(GPS)受信端末と、GPSデータを写真ファイルに追加するソフトウェアかGPS端末と直接データ通信できる高価なカメラのどちらかが必要である。しかし、テクノロジが軌道に乗り、Yahooの「Flickr」やGoogleの「Panoramio」などのサイトが豊かな可能性を誇示するにつれ、geotagの基本がまとまりはじめた。
geotagは、アルプスのどこかで撮影したことしか覚えていない写真をハードディスクから探し出す新しい方法を意味するだけではない。バーチャルツーリズムやスライドショーのナレーションに新しい可能性を開くテクノロジでもある。
写真共有サイトFlickrの共同創立者であり、ゼネラルマネージャーを務めるStewart Butterfield氏は「写真には必ず撮影場所がある。撮影場所とその写真に収められた映像は切っても切れない関係にある」と語る。Flickrには現在、アーカイブ全体の約3%に相当する3600万枚のgeotag付き写真が保存されている。
昔は、友人たちを自宅に招いてリビングルームでスライドショーを上映することも少なくなかった。しかしオンラインで写真を共有できる現在では、写真に地理データを添えれば、そばで説明する人がいなくても、それを見る他人や遠くに離れて暮す友人にとっては写真が一段と味わい深いものになる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス