「nana」をご存知だろうか。nanaとは、スマートフォンで録音・投稿できる音楽系コミュニティアプリだ。2012年8月にサービスを開始し、2016年5月末時点で登録ユーザー数は200万人を突破、累計再生回数は5億回を超える。ユーザーの7割が高校生以下であり、19~22歳も2割弱を占める。全体の8割は女性であり、10代女性に人気が高い。
リアルタイム検索でnanaを検索すると、Twitterで10代を中心に非常に盛り上がっていることが分かる。nanaのプロフィールをTwitterのプロフィール欄に掲載したり、定期的にツイートして交流を募ったりするユーザーも多い。
nanaには、スマートフォン1つで90秒までの音源を載せることができる。音楽投稿といえば、「歌ってみた」や「演奏してみた」を思い浮かべる人も多いだろう。nanaでも、このような音源は投稿されているが、最大の特徴は多重録音や加工で“コラボ”ができることだ。
たとえば、ギターの伴奏音源にボーカルを重ねて録音し、コラボすることができるのだ。歌声を重ねてハモったり、違う楽器を弾いてセッションしたりしている例も多い。多い時には、5人などで重ね撮りしていることもある。投稿には、「いいね」にあたる「拍手」やコメントをつけて交流できる。
音楽だけでなく、ユーザー発のユニークな使い方も見られる。たとえば、ハッシュタグ「#30問30答」がついた投稿を見ると、ユーザーの用意した30問に対してリズムを付けて回答するというコラボが見られる。質問項目には名前や年齢が入っているが、ほとんどのユーザーが10代と回答している。そのほか、台本を投稿しておくと、他のユーザーが声をあてて声劇にしてくれる例もある。
nanaは表現だけでなく、気軽なコミュニケーションにも使われているというわけだ。ユーザーは「nana民」と呼ばれており、「#nana民とつながりたい」というハッシュタグもある。交流したいニーズから、交流に特化したコミュニティ機能も誕生している。
nana発で著名になった音楽もある。2015年4月に廣野ノブユキ氏がnanaに投稿したオリジナル楽曲「Rainy」だ。現在、第一興商の通信カラオケDAMで配信されている。nana内で3000以上のバージョンでカバーされており、2016年3月時点で再生回数は50万回を超える。7月には、nanaユーザーによってカバーされた「Rainy」のみのコンピレーション・アルバムも発売されている。
なぜ、10代においてnanaが人気となっているのか。nanaに見られる10代の行動の特徴と問題点について見ていきたい。
最近は、高校生と企業がコラボして商品を開発するなど、コラボが日常に根付きはじめている。
中でも、ドラマ「高校生レストラン」のモデルになった「まごの店」は有名だ。まごの店は、三重県立相可高等学校調理科の生徒が運営するレストラン。もともとは、五桂池ふるさと村の農産物直売所「おばあちゃんの店」の隣に開店した屋台スタイルからスタートし、現在は地域食材を利用した創作料理レストランとなっている。仕入れから調理、接客、経理まで、すべてを高校生が運営しているという。
学校用品の通販サイト「ガクイチ」を見ると、「高校生開発商品」コーナーがあり、全国30校の高校生が開発した76もの商品が並ぶ。その多くは、地元の自治体や企業が高校生とコラボしたもの。地域の資源を生かしつつ、高校生の若いアイデアと感性で商品を開発し、地域活性化に生かそうというものだ。メディアで話題になるだけでなく、ターゲットとする若い層のニーズが取り入れられるため、企業にもメリットが多い。高校生の間では、このようなコラボが日常となっているのだ。
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