住宅の購入経験者に関する調査(中)--「金額」に次ぐ重視点は、「安全性」と「駐車スペース」

Webマーケティングガイド2007年06月05日 13時00分

 Webマーケティングガイドでは、不動産に関する調査を企画し、株式会社エルゴ・ブレインズが運営するターゲットリサーチのリサーチパネルに対してインターネット調査を行った。

 前回調査した住宅の購入経験者に関する調査(上)では住宅購入のきっかけや期間を調査したが、今回は購入時にこだわった点や想定した値段について詳しく調べた。

 その結果、住宅購入者は「金額」に次ぐ重視点として、「安全性」と「駐車スペース」長期的な視点で堅実に住宅を購入していることが明らかになった。

 今回の調査対象は、自分名義の持ち家を持つ30代〜50代男女のインターネットユーザー300人。 年齢比は30代、40代、50代それぞれ100人ずつの均等割り付けを行った。

 Q1では、住宅の購入を検討した時点でマンションか一戸建てのどちらにしようとしていたかを尋ねた。 すると、一戸建てが66.7%と最も多く、次いでマンションが25.3%という結果となった。

マンションか一戸建てのどちらにしようとしていたか

 今回の調査対象を全国から回収しており、大都市圏のみであればマンション購入者の割合が大きくなると考えられるが、結果として、全国的にはユーザーが「住宅=一戸建て」という意識を持っていることが伺える。

 その他の市場に出ているデータを加味すると、持ち家一戸建て購入時の平均年齢は36.9歳という結果が出ており、地域別に比較してみると、関東地方の持ち家一戸建て購入時の平均年齢は37.6歳、関西地方の持ち家一戸建て購入時の平均年齢は36.3歳と、平均年齢に1.3歳の違いが出ていた。

 一方、マンション購入時の平均年齢は37.9歳で新築マンション購入時の年齢は特に30〜34歳に集中しており、地域や年齢により、一戸建てとマンションの購入に差があることが伺える。 (参照:マンション購入者実態調査[HOME'Sリサーチ]) (参照:持ち家一戸建て購入者の実態調査[HOME'Sリサーチ]

 Q2では、住宅を購入する際にこだわった点について尋ねた。

 その結果は、「安全、耐久性に優れている」が35.0%と最も多く、次いで「駐車スペースが確保でき、駐車代の節約になる」が33.7%と続いた。

住宅を購入する際にこだわった点

 2005年に起きた耐震偽装事件が一因となっているのか、ユーザーの住宅への安全性や耐久性の疑念が高まっていることが伺えるだろう。 (参照:姉歯ショック@耐震偽装問題[nikkeiBPnet])

 また、何度も購入できる商品ではなく、一生の買い物であるからこそ安全面で自分の納得がいくまでこだわりたいという強い願望があると考えられる。

 一方、「庭を持つことができる」の28.0%や「部屋数が多い」の27.3%を押さえ、2番目にこだわった点として挙げられた「駐車スペースが確保でき、駐車代の節約になる」は、販売業者側からすれば、注目したいデータであろう。

 今や自家用車は、一家に一台が常識となっているが、大都市圏の駐車代は月に平均1万9,175円と高額なため、できれば住宅購入時に駐車場を確保したいという意識を3人に1人のユーザーが持っていることが分かる。 (参照:住宅サーチ[NIKKEI NET])

 Q3では、Q2で選んだ物件が実際にいくら位であったかを尋ねた。

 その結果「3,000万円以上5,000万円未満」が34.7%と最も多く、次いで「2,000万円以上3,000万円未満」が30.7%と続いた。

物件の価格

 注目すべき点は、「1,000万円以上5,000万円未満」を合わせると、85.7%ものユーザーが該当し、10人に約9人が住宅の購入を5,000万円以下で押さえようと考えていることが分かった。

 更に、「7,000万円以上2億円未満」を合わせてもわずか3%ではあるが、日本の総人口が1億2,000万人であることを考慮すると、絶対数として高級物件のニーズは無視できないと言えるのではないだろうか。 (参照:図録総人口の月次推移[社会実情データ図録])

 今回の調査結果と前回の調査結果を踏まえると、ユーザーは約1年程度を住宅購入検討時期として費やし、自分の支払い可能な金額とプラスαで、住宅の安全性や駐車スペース・庭の有無を考慮し、合致した時に初めて購入に至るということが言えるのではないか。

 物が豊かな時代だからこそ、自分のこだわりを持ち、納得できる物件を探しているユーザーが多いのかもしれない。

 次回は住宅購入時の情報元に注目して調査していく。

 今回の調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業界やそれぞれのシチュエーションに合ったリサーチにご興味をお持ちの方は、 お気軽にお問合わせください。

サンプル数  :300
調査期間   :2007年05月15日(火) 〜 2007年05月17日(木)
調査方法   :インターネットリサーチ
調査機関   :ターゲットリサーチ
対象者     :30歳〜59歳の男女
対象条件   :自分の名義で持ち家を持つ人

 本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
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