モバイル業界のキーパーソンが集うイベント「モバイル・ビジネス・サミット 2009」が9月10日から11日まで福岡で行われた。携帯電話事業者やアプリケーションプロバイダーなど約250名が一堂に会し、業界の未来について議論した。
1日目のセッションに続き、2日目はiPhone/スマートフォンに関するビジネスや今注目を集めている動画ビジネス、モバイルでのコマース、モバイル広告などをテーマにセッションが行われた。
2日目の最初のセッションには、Gclue 代表取締役の佐々木陽氏、APPLIYA 代表取締役の椎谷ハレオ氏、ハドソン 執行役員 兼 新規事業本部 本部長の柴田真人氏、パンカク 代表取締役の柳澤康弘氏、アドモブ 代表取締役社長のジョン・ラーゲリン氏らが登壇。
「スケールするiPhone/スマートフォンビジネス」をテーマとし、iPhone、Android、OviStore、国内キャリア向けプラットフォームでのアプリ開発を行う企業やモバイル広告企業など多彩なプレイヤーたちが独自の視点でディスカッションを繰り広げた。
モデレーターを務めたグロービス・キャピタル・パートナーズ シニア・アソシエイト 高宮慎一氏は、「iPhone/Smart Phoneがモバイルインターネットの主流になるか?」「当面のスマートフォン市場の主戦場はiPhoneか」「日本初のSmartPhoneベンチャーは世界を獲れるか」といった質問をパネラーに投げかけ、現状や市場の展望について議論した。
続くセッションには、エニグモ 代表取締役共同最高経営責任者の須田将啓氏、maneo 代表取締役社長の妹尾賢俊氏、ソフトバンクギフト 取締役 COOの藤平大輔氏らが登壇。各社のコマースビジネスの成功の裏側や苦労話などについて語った。
3社とも共通しているのは、C to Cのビジネスは、ユーザーに浸透するまでに時間がかかるという意見だ。この問題点をどう捉え、どのような措置をとったのかなどを事例を交えながら話した。
続くセッションでは、セプテーニ モバイル本部執行役員 経営企画室兼務の梅澤信哉氏、サイバーエージェント 取締役の岡本保朗氏、アイレップ 代表取締役社長 COOの紺野俊介氏が登壇。「モバイル広告の理想と現実」をテーマにモバイル広告を扱う各社の取り組みと現状をアピールした。
モデレーターを務めるエフルート 代表取締役社長 兼 CEO 尾下順治氏は、「位置連動」「行動ターゲティング」「クロスメディア」など各社が注目するキーワードやその理由について意見を引き出した。また、アフィリエイトの拡大に伴い問題となってきたアフィリエイトの不正問題、現状のクライアントのジャンルの偏り、地方のクライアントに対するモバイルの意識格差など幅広くディスカッションされた。
さらに、内容については非公開セッションとなった「動画はビジネスになるか? メガコンテンツ企業の動画戦略」は、レコチョク 代表執行役社長の今野敏博氏、日本テレビ放送網株式会社 編成局デジタルコンテンツセンター デジタル事業推進部の太田正仁氏、フジテレビジョン デジタルコンテンツ局デジタル事業センターの波止康雄氏が登壇。
注目されながらもまだ成功事例が少ない動画ビジネスの中で、現状にたどり着くまでの苦労話、将来への展望に関する本音トークが多く飛び出し、会場内は盛り上がった。
最後のセッションでは、ORSO 代表取締役社長の坂本義親氏、サイバーエージェント アメーバ事業本部 サービスディベロップメントDiv ゼネラルマネージャーの武石幸之助氏、芸者東京エンターテインメント 代表取締役CEOの田中泰生氏が登壇。
「釣りゲータウン」や「プーペガール」「アメーバピグ」「電脳フィギュア ARis」などいま最も注目されるサービスやプロダクトを手がけるコンテンツクリエーターたちに、モデレーターを務めるグロービス・キャピタル・パートナーズ プリンシパルの今野穣氏がモバイルコンテンツの未来を占う7つの質問を投げかけた。
「作りたいものと売れるものは同じである」「プラットフォームのオープン化に賛成だ」「海外市場はおいしい市場だ」などの問いに、○×のプレートを手に悩むスピーカーたち。「作りたいものをつくるんだったら、自分のカネで作れ」(芸者東京エンターテインメント 田中氏)など、クリエイターかつ経営者という視点ならではの本音トークや多彩な意見が飛び出し、会場は沸いた。
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