日本のソーシャルメディアを投資家と開発者という立場で黎明期から支えてきた2人が設立したファンドがある。East Venturesだ。
East Venturesはアーリーステージを中心とした投資を手掛けるクロノスファンド 代表パートナーの松山太河氏と、元ミクシィCTOである衛藤バタラ氏が中心となって2010年に創設したテクノロジー分野の投資ファンドだ。東南アジアでの活動がメインだった同ファンドだが、日本で新たなアクセラレーションプログラム「East Ventures Accelerator」を開始し、シード支援を本格化させる。
松山:新たにアクセラレーションプログラムを開始します。プログラムに採択された方には150万円の資金を提供して、定期的にメンターのアドバイスを実施する予定です。スキームを決めて杓子定規にやるよりも、事業ごとに柔軟な対応をすべきと考え、テーマなども特に決めていません。
衛藤:パートナーがシンガポールとジャカルタにそれぞれ1人ずつ、現地のスタートアップをフィルタリングして私たちに伝えてくれています。日本を担当するGP(ゼネラルパートナー)は私と太河の2人。新たなファンドも設立準備中です。
衛藤:現在、EastVenturesでは国内外合わせて27社ほどに投資をしています。そのうち6社はイグジットや2回目の調達に成功しました。GROUPONへバイアウトした共同購入のDisdusやコマースのTokopediaなどが目立った成果ですね。
インドネシアの投資マーケットに参入したいという日本の企業は増えてきました。しかし、投資に値する企業はまだまだ少ない。そこでリスクを取る役割を私たちが担っていると思ってもらえればいいです。私たちの強みは東南アジアにネットワークがあること。日本での事業をメインに考えている場合でも、アジアに出ていく際の支援ができるのです。
松山:150万円で7%の株式を引き受けることが基本的な考え方です。この株の考え方も普通株、種類株、コンパーチブルノート、あらゆる可能性を起業家と一緒に考えます。
松山:インキュベーションプログラム実施後、その卒業生に対して次の投資ラウンドを引き受けることも考えています。1件あたり、数百万円から数千万円、5000万円未満が目安で、アーリーからシリーズAなど網羅的にやるつもりです。また、このラウンドについても条件を定めたりはしません。適宜、追加出資がいいのか、協調投資がいいのか、もしくはまったく私たちと関係のない方にお渡しするのがいいのか、すべて起業家と話をします。資本的に縛ることはしたくないのです。
松山:クロノスファンドで経験したのですが、企業というのはあっという間に伸びるし、その企業価値の大小というのはシード期に決めづらいんです。すべてケースバイケース。1年間で10億円の企業価値を超える事例も出ています。形式を決めて投資案件数をこなすという考え方はないんです。
衛藤:やはり実行力。プランは沢山持っているけど、実行できないというのでは意味がありません。アイデアというのは最もコストがかからない部分。ビジネスプランよりもプロトタイプや動くモノ、具体的な話ができるかという点を重視します。
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