世界経済が崩壊の危機に瀕している中、ビデオゲーム業界は財政上の悩みと無縁でいられないとしても、少なくとも他の業界よりも守られているとの考えを堅持している。
これを支持する論拠は、不況時でも人はエンターテインメントにお金を使うという長年の説と、ビデオゲームはエンターテインメントの中でも最も経済的なものの1つであるとの考えの組み合わせにある。
もちろん、間違いなく近づいていると思われる全体的な厳しい縮小をゲーム業界が免れると言うのは時期が早すぎる。しかし、もし免れるなら、最も重要な要素は現在登場しつつあるメガヒット作品の供給となるだろう。2008年は既にこうした爆発的なヒットが多数生まれており、例えば記録的な発売数となったTake-Two Interactive Softwareの「Grand Theft Auto IV」、Activisionの「Guitar Hero」、Harmonixの「Rock Band」フランチャイズ、任天堂の「Wii Fit」、Blizzard Entertainmentの「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」がある。
ゲーム機も休暇が近づくにつれ引き続き強さを示しているようだ。少なくともMicrosoftの「Xbox 360」と任天堂の「Wii」は順調だ。Microsoftによると2008年のブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)の売り上げは2007年との比較で25%伸びたとし、任天堂はコンシューマーがクリスマス前に人気ゲーム機Wiiを入手できるよう期待してWiiの2008年ホリデー期間の供給を前年同時期の50%増やす計画であると述べた。
Microsoftが2008年秋のXboxの売れ行きを大きく見込んでいる主な理由は、もちろん9月にXboxの最廉価版を199ドルに下げると発表したからだ。
2008年業界最大の劇的な事件の1つは、世界最大のビデオゲームパブリッシャーElectronic Arts(EA)によるTake-Twoに対する積極的な買収の動きがあったことだ。EAは2008年2月、Take-twoに20億ドルでの買収を申し入れた。EAによると、この金額はGrand Theft Auto IVの期待利益を考慮に入れた額とのことだった。しかし、Take-Twoは決定を保留、同製品のリリースにメリットがあると考え、表面的には増額を期待する形で応じなかった。数カ月間2社は後退したり前進したりのメディア合戦を繰り広げ、EAはTake-Twoの決断のため何度も「最終期限」を延長した。結局Take-Twoは単独路線を継続することに決めたため、EAは提案をはねつけられることになった。
それに加えて、EAは待望のWill Wright氏の進化ゲーム「Spore」の発売で2008年最大の期待外れの結果を経験したかもしれない。このゲームはまずまずの売れ行きで好評を博し、1カ月もしないうちに100万セットの売り上げを達成した。だが、一部で予測されていたような数字を記録することはできなかった。
しかしビデオゲーム業界にとって2008年最高のニュースはJack Thompson氏が9月に弁護士資格を剥奪されたことだったかもしれない。同氏はゲームが暴力や性行為を促しているとして定期的に業界を攻撃していた業界の大敵だったからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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