2006年にはHD DVDとBlu-ray Discという、いわゆる次世代DVDのハードとソフトが本格的に発売された年となった。2007年これらのDVDのシェア争いはさらに活発になると見られる。
東芝はハードディスクドライブ(HDD)内蔵のHD DVDレコーダーを2006年7月に発売し、さらに2006年12月には5万円以下の低価格を実現した第2世代のHD DVDプレーヤーを発売し、これに対して松下電器産業からは2006年4月に、ソニーは12月に第2世代のHDD内蔵のBlu-ray Discレコーダーを発売した。
松下は容量50Gバイトの片面2層ディスクへの記録および再生が可能なモデルを発売したのに対し、ソニーは片面2層ディスクには対応できなかったこともあり、ハードの性能を比較して松下がリードしている感は否めなかったが、松下とソニーがともに2006年中に第2世代機のハードの発売は間に合わせた。現在はHD DVDとBD両陣営は一歩も引かない構えで拡販に力を入れている。
また、次世代DVDはゲーム機業界にも勢力争いを持ち込んでいる。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が2006年11月に発売したPLAYSTATION 3(PS3)にはBlu-ray Discの再生機能がある。これでHDD容量20Gバイトモデルの価格が5万円以下というのだから現時点では超格安と言える。一方マイクロソフトはXbox360のオプションとして2006年11月にHD DVDプレイヤーの「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」を1万9800円で発売した。Xbox360のゲーム機を持っていれば、こちらもプレーヤーとしては格安だ。
もちろん現状ではHD DVD、Blu-ray Discともにソフトの発売タイトル数はまだまだ少ないだけに、今すぐゲーム機で次世代DVDのソフトを観るということではなく、1年後、2年後、将来のソフトの充実に期待して次世代DVD再生機能のあるゲーム機を買ったというユーザーも多いが、ともかくこれで映画などの高画質コンテンツを観る環境は整ったと見て良いだろう。
ところで、日本国内ではプレステ3のほうがXbox360より圧倒的に人気があり、Blu-ray Disc陣営優勢の気配があるが、世界的に見れば、マイクロソフトのゲーム機も売れており、東芝のHD DVD機器の売上も特に米国で好調だという。米国ではHD DVDのソフトがBDソフトより先行して数多く発売されているという事情もあるようだ。
さて、2007年はハード・ソフトともに充実が予想される次世代DVD。規格争いが収まる気配はなく両陣営の激しい対決が2007年以降も続きそうだ。
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