小まめで十分な水分補給が日々の活力を助け、肌のツヤや減量にも役立つことは多くの人が知っているだろう。
米国医学研究所によれば、18歳以上の男性は1日3.7リットル、女性は2.7リットルの水を摂取する必要があるという。だが、3.7リットルの水というのは単純計算して200ミリリットル入るコップの20杯分。実践できている人はほとんどいないだろう。
中央ヨーロッパに位置するスロベニアの企業「Ulla」は、人びとが水分補給を忘れないよう助けるデバイスを開発している。しかも、すでに10万個以上を売り上げているそうだ。
Ullaの好調の理由は、その水分を一定のペースで少しずつ補給するのをサポートする機能が備わっていること。筆者もそうだが、忙しいとつい水を飲むのを忘れてしまう。
Ullaはバンド式のデバイスで、好みのコップやペットボトルなどに簡単に装着できる。センサが内蔵されており、人の動作を感知する。
まず、朝起きてボトルに近づくとバンドに付いているLEDライトが光り、水分補給を促す。作動させるためのスイッチはなく、自動で反応して飲むと光は消えるので、たとえユーザーがUllaのことを忘れていても問題ない。
また、水分補給のために容器を傾けるとそれを感知する。そして水分補給をしないまま30分が経過すると、LEDライトが光り教えてくれる。飲むだけで光は消えるため、仕事などに没頭していても一定のペースで水分補給ができる。その「さりげなさ」が人気の理由だ。
一定時間ボトルから離れると光らなくなり、スイッチが切れる。電池は交換式だが、無駄なエネルギー消費がないため6カ月は保つそうだ。
Ullaは6つの色から選べる。小さく邪魔にならないシンプルなデザインのため、マイボトルやマイカップに備えつけたままでも使いやすい。
他国の競合製品には、香港のスタートアップ「Gloking Lab」が開発したタンブラー型のガジェット「Ozmo Smart Cup」のように、スマホアプリと連動させて使うような高機能のものもあるが、Ullaはあえてシンプルさにこだわった。
そのため、アプリとの接続などのややこしさを敬遠してしまう高齢者をはじめ、デジタルに疎い人からも受け入れられているという。頻繁な充電が必要ないことも見逃せない点だろう。価格も24.99ドル(約2500円)とリーズナブルである。
「水を飲む回数が上がった」「喉が乾いてからでは遅くて、乾くのを防いでくれる」「前は全然水を飲まなかったけど、水を飲む習慣作りのいいきっかけになってくれた」と実際に使った人からも評判だ。
同社によれば、20~30人のいくつかのグループを対象に、Ullaがどれくらい水を飲む回数を増やすのかをテストしたところ、平均で1日2~3回の増加が見られたという。
水分補給の習慣の定着を、人びとの行動に訴えかけるデザインで促そうとするUlla。販売台数はまだまだ増えていきそうだ。
(編集協力:岡徳之)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力