Microsoftが2010年になって企業買収をしていないことについて、このところさまざまな分析が出ている(情報筋は米CNETのIna Friedに対し、非常に小規模な買収はあったが、重要なものはないと語っている)。
Microsoftが企業買収をしていないということについて、筆者は不穏には感じない。それどころか、Microsoftは従業員のレイオフを進めており、あまり状況のそぐわないプロジェクトを整理していることを考えると、納得がいくとも感じている。また、これまでMicrosoftが行った大規模で目立った買収(DangerとaQuantiveが真っ先に思い浮かぶ)を振り返ってみると、これらの買収は必ずしもうまくいったとはいえないと思う。買収間際までいった米Yahoo!もあったが、ここでは触れずにおく。
このところ、MicrosoftがLinden Labを狙っているのではないかといううわさがある。Linden Labはソーシャルゲームプラットフォームの「Second Life」の開発元で、数年前にハイテク企業の多くが注目していた企業だ。
MicrosoftはLinden Labに関するうわさについてコメントしていない。だが、筆者の情報筋によると、MicrosoftはLinden Labだけでなく、そのほかのソーシャルゲームベンダーにも話を持ちかけたかもしれないとのことだ。情報筋の話によると、Microsoftは単に提携話を進めているだけでなく、完全な買収を持ちかけているとのことだ。
Microsoftは、第1人称視点ゲームを通じてゲーム事業を拡大しようとしている。「Xbox Live Dashbord」に3次元のソーシャルゲームを追加することは方向性として魅力的だし、同時に/もしくは、2010年11月前半にローンチとなるXbox向け「Kinect」センサの潜在ユーザーを拡大することにもなるだろう。
Microsoftの買収に関する履歴/傾向に話を戻そう。Microsoftのウェブサイトによると、同社は2009年に6社を買収している。2008年は16社で、2007年は8社だった(小規模なものを入れるともっとあるだろうが、主要なものを数えるとこの数字になる)。
Microsoftは2007年、(aQuantiveとは別に)かなり成功した大型買収をいくつか行っている。TellMe(音声検索企業、同社の技術は「Windows Phone 7」などのプラットフォームに組み込まれる予定)、Medstory(その後、「HealthVault」と「Bing」の一部となった)、AdECN(Microsoftが検索/広告分野を強化するために買収した広告取引プラットフォーム)だ。
以下がMicrosoftの2007年の買収履歴だ(Microsoftの財務ページより引用)。
2008年には、モバイルと検索が再び中心的な分野となる(少数の仮想ベンダーもあるが)。Microsoftの2008年の企業買収リストには、Danger、FAST Search&Transfer、PowerSet、FareCastなどが並んでいる。そして2009年、買収企業数は少なくなるが、ゲームベンダー(BigPark)が入っている。
以下が2008年の買収履歴だ。
2009年の買収履歴は次のようになっている。
Microsoftは、Bungie買収をうまく消化できなかった(Bungieは後に、Microsoftから分社した)が、そのためにMicrosoftがゲームベンダー買収に後ろ向きになったのではない。GoogleやFacebookなどの企業(あのAmazonでさえも)はどこも、ゲームと/あるいはソーシャルゲームに本腰を入れ始めており、Microsoftだってここで取り残されることは願っていないはずだ。
MicrosoftがLinden Labを買収するとすれば、この買収は成功するだろうか?Linden Lab以外で、Microsoftにフィットしそうなソーシャルゲームベンダーはどこだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力