マイクロソフト、パートナー企業向けイベントで「All In」を呼びかけへ

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年07月12日 10時51分

 Microsoftのパートナー企業向け年次カンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)」が米国時間7月12日、ワシントンD.C.で開催される。4日間に渡る同カンファレンスでのMicrosoftの最大のメッセージは、パートナー企業もMicrosoftと同様に「All In」クラウド戦略を受け入れる必要がある、となるだろう。

 Microsoftはこのイベントで、ビジネスをクラウド中心に移行させたパートナー企業の成功例にスポットを当てる予定だ。Microsoftの関係者はまた、「Business Productivity Online Suite(BPOS)」、次期システム管理ソフトウェア/サービス「Windows Intune」、クラウドプラットフォーム「Azure」のようなクラウドサービスを牽引するよう約1万人の参加者に呼びかける意向だ。

 (筆者は、Azureを売り込むにあたって、Microsoftがいかにしてパートナー企業を参加させるつもりなのかに興味を持っている。これまでのところ、MicrosoftはAzure上で新しいアプリケーションを構築した開発者にスポットをあてた事例を公開してきたが、マス市場に向けてAzureをプッシュするにあたって、再販業者コミュニティーが参加/利益を得る方法については情報があまりない)。

 Microsoftは、主要な営業戦力として、システムインテグレーターや再販業者、独立系ソフトウェアベンダー、OEMに大きく依存しており、クラウドを推進するにあたってパートナー企業を取り込むことは非常に重要となる。Microsoft幹部は数年前、同社がホスティングサービスを展開する計画であるとパートナー企業に通知を出したが、パートナー企業は、クラウド、そしてクラウドにおける自分たちの立場にいまだ疑問を抱いている。

 筆者が得た情報によると、Microsoftはカンファレンス中、「Windows 7 Service Pack 1(SP1)」「Windows Server 2008 R2 SP1」の初のパブリックベータを公開する模様だ。「Vail」こと「Windows Home Server」のベータ版とSMB向けの補完である「Aurora」(開発コード名)のベータ版が登場するという情報もある。

 クラウド側では、MicrosoftはSMBにフォーカスしたBPOSスイート「BPOS Lite」に言及すると多くが予想している。また、Microsoftのオンプレミスとクラウドの接続のために設計された安全なネットワークサービス「Project Sydney」に関する詳細を公開するという情報もある。2010年に入り、Microsoftがこのパートナー向けイベントで開発中の「OData(Open Data Protocol)」やパブリックデータセットサービス「Dallas」に関する情報を明らかにする可能性を示唆する動きがあった。

 カンファレンスに先立って複数のMicrosoftのパートナー企業と話をしたが、パートナーの多くはクラウドで自社の報酬がどのように変わるのかを知りたがっている。合わせて、自社顧客をクラウドに移行するのを支援する開発・実装ツールの計画についても、関心を持っている。そして、クラウド製品を予算に余裕のある大企業だけでなく、中規模・小規模顧客に魅力的なものにするために、Microsoftがどのような計画を敷いているのかにも興味を持っている。

 Slalom Consultingで国内ソリューション管理ディレクターを務めるTom Chew氏は、自社システムインテグレーション事業部は1年以上前からBPOSに取り組んでおり、Microsoftがホスティングする「Exchange」「SharePoint」「Communications」「Live Meeting」サービスなどで構成されるスイートの実装に関する契約を「相当量」(2万8000席以上)を獲得したという。

 Chew氏はWPCで、オンプレミスとホスティング製品の機能を同等にすることについて、Microsoftの計画を知りたいと述べる。現時点では、「Exchange 2010」や「SharePoint 2010」などの製品に新機能が導入された場合、その新機能が「Exchange Online」や「SharePoint Online」で利用できるようになるまで6カ月から12カ月の時差が生じている。Chew氏はまた、パートナー事業モデルの変更についても知りたいと述べた。

 Microsoftはまた、さまざまなレベル向けの認定など、自社パートナーネットワークで行ってきている数々の変更についても話をする見込みだ。WPC10ではまた、新しいチャネル責任者であるコーポレートバイスプレジデントのJon Roskill氏が初めて公式の場に登場することになっている。Roskill氏は、12年間パートナー組織を率いたコーポレートバイスプレジデントのAllison Watson氏の後を引き継ぐことになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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