iPhone/iPod touchが1台あれば、重いパソコンを持ち歩かなくても、外出先が即座にオフィスに早変わりする。なんと便利な時代になったものか。「どこでもオフィス」を実現するためには、書類、名刺、雑誌の切り抜き、ブログ記事、本まるごと1冊などのあらゆる情報をiPhone/iPod touchに集約して、それらの情報を必要なときにどこででも活用できるように整理する必要がある。本書では、その効率的な方法を鮮やかに紹介している。
そんなにたくさんの情報を持ち運ぶには、iPhone/iPod touch本体の容量が少なすぎるのでは? という疑問がわくかもしれないが、DropboxやSugarSyncといった外部のストレージサービスを組み合わせて利用すれば、簡単に100Gバイトにもなる。パソコン上のファイルはネットワーク上のストレージと同期されるので、専用のアプリを使って外出先からも簡単に参照できる。多少費用がかかっても、場所の制約がなくなるメリットは大きい。
本書には、ドキュメントスキャナのScanSnapやiPhoneのカメラを利用して、本や書類をPDF化して持ち歩く方法、名刺を写真で整理する方法など、紙をデジタル化して活用する方法が満載である。しかし、デジタル化だけではない、紙の手帳やメモとの連携など、アナログとデジタルの上手な連携の仕方についても触れられているので、紙の手帳が手放せない人にとっても価値ある情報であろう。
このほかにも、iPhone/iPod touchでの健康管理や経費管理など、「そんなことまでできるのか!」という活用法が多く示されている。掲載されているアプリケーションとウェブサービスについては、最後に参照ページとWindowsやMacとの互換性が一目で分かる一覧表があるので、後で読み返す際に便利だ。
iPhone/iPod touchを買ったはいいが、アプリの数が多すぎて、どのアプリを使えば仕事に役立つのかいまいちわからない、という人にはバイブル的な1冊になるだろう。
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