ソニーのBlu-ray Discレコーダーに2008年秋冬モデルが登場した。2008年春に発売された「BDZ-A70」を残し、ラインアップを一新。テレビ録画に特化したスタンダードモデルの「Tシリーズ」、ハイビジョンハンディカム、デジカメ写真を“Blu-ray Disc保存”をメインに考えた「Lシリーズ」、そしてホームシアターモデルでありフラッグシップの「Xシリーズ」のすべてが大きくスペックアップをした。
本題に入る前に各機種のバイヤーズガイドをさらっとお伝えしよう。Tシリーズの注目は実売価格が10万円を切りそうな「BDZ-T55」だ。シングルチューナーなので2番組録画はできないが、ハイビジョンレコーディングの入門機として利用できる。
上位モデルの「BDZ-T75」とのスペック差はダブルチューナーになった程度だが、実売価格差は約3万円はアップしそうだ。Tシリーズの2機種は、録画時間の決め手となるハードディスク(HDD)容量は変わらないので、予算優先ならBDZ-T55を、予算があるなら500GバイトのHDDを搭載する「BDZ-L95」(L95)を選ぶのが賢明だ。
Lシリーズは、ビデオ保存に特化したように思われがちだが、Tの基本機能をすべて備えている。筆者としてはテレビ録画に特化しつつ、HDD容量も豊か、それでいて低価格というラインも欲しかった。Tシリーズにこそ、500GバイトのHDD搭載機が必要なのではないかと思うのだが、読者の皆さんはいかがだろう。
Lシリーズはハイビジョンハンディカムユーザーに特化したタイプ。ムービー、デジカメとの接続用に最も多彩な接続端子を備えている。
Lシリーズのみ2系統のUSB端子を備えており、背面のポートとハイビジョンハンディカムのクレードルを常時接続して使うシーンを提案している。シングルチューナーの「BDZ-L55」(店頭想定価格:12万8000円前後)と前述のBDZ-L95(店頭想定価格:16万8000円)の2機種がラインアップ。たった4万円の実売価格差でHDD容量が320Gバイトから500Gバイトになり、ダブルチューナーを搭載するL95が筆者のお薦めだ。
L95にはメモリースティック、コンパクトフラッシュ、SDカードスロットも装備されているので、一眼レフデジカメ画像を大容量のBlu-ray Discに保存するようなシーンでも重宝しそうだ。
ソニーのハイビジョンハンディカムシリーズを持っているなら、Lシリーズを入手するとかなり便利に使えるはずだ。Lシリーズの詳細についてはおおむね前モデルと同じなので、過去のレビューを参照していただきたい。
今回のラインアップで、最も注目すべきなのが画質とサウンドに徹底的にチューンが施されたXシリーズだ。「BDZ-X100」(店頭想定価格:27万8000円)と「BDZ-X95」(店頭想定価格:19万8000円)の2種類がある。映像部は新開発の高画質回路「CREAS(クリアス)」と「DRC-MFv3」を搭載。なにがスゴイかというと、現在使用中の薄型テレビでも、より美しい映像が楽しめるというのだ。
たとえば昨年モデルの薄型テレビが内蔵しているチューナーでデジタル放送を見るよりも、Xシリーズのチューナーを介して視聴した方が美しい映像が楽しめる。とにかくHDMI端子を持つテレビなら、メーカーや世代は問わないというのが新しい。シャープの「AQUOSブルーレイ」レコーダーのように、同社のテレビと接続しないと最高の画質で楽しめない、という設計思想と真逆にある考えで作られたのが興味深い。
今回はXシリーズの500Gバイトモデル「BDZ-X95」をレビューする。X95が搭載する機能は他のTシリーズ、Lシリーズにも搭載されている機能もあるので、参考にしていただきたい。
機種名 | HDD容量 | x-みどころマガジン | 2チューナー | おでかけ転送 | HDMI | CREAS | DRC-MF v3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
BDZ-T55 | 320Gバイト | ○ | − | − | 1系統 | ○ | − |
BDZ-T75 | 320Gバイト | ○ | ○ | − | 1系統 | ○ | − |
BDZ-L55 | 320Gバイト | ○ | − | − | 1系統 | ○ | − |
BDZ-L95 | 500Gバイト | ○ | ○ | − | 1系統 | ○ | − |
BDZ-X95 | 500Gバイト | ○ | ○ | ○ | 2系統 | ○ | ○ |
BDZ-X100 | 1Tバイト | ○ | ○ | ○ | 2系統 | ○ | ○ |
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」