
2006年はさまざまなデジタル一眼レフカメラが登場した一年となった。そのなかでもエントリークラスのカメラが続々と発売されたおかげで、多くのユーザーがデジタル一眼を手にするようになった。そのエントリークラスの先駆けとなったのが、キヤノンEOS Kissデジタルである。その「Kissデジ」が遂に三世代目へと進化した。「キヤノンEOS KissデジタルX」である。
礒村浩一 2007/01/12 16:23「Kissデジ」として馴染まれている「キヤノンEOS Kissデジタル」シリーズだが、その完成度は従来機である「EOS KissデジタルN(以下KissデジN)」においてもとても高いものであった。そしてその後継機となる「キヤノンEOS KissデジタルX(以下KissデジX)」にも自ずと期待が高まる。
「KissデジX」を実際に手にしてみると、印象としては従来機である「KissデジN」と大きな変わりはない。数字でみても厚みが1mm、重さが25g増えただけで、ほぼ同程度と言えるだろう。見た目で変わったのは背面のレイアウトである。そのなかでも大きく変化したのは2.5型と大きくなった液晶モニターだ(KissデジNは1.8型)。さらに撮影設定情報を表示していた液晶パネルは廃止され、「KissデジX」では液晶モニターに随時表示されるようになった。これは大きな液晶画面を搭載するための方策だろうが、結果的に液晶パネルにて表示されていたものよりも格段に読み取りやすくなった。ボタン類の配置はほとんど変わっていないが、「ダイレクトプリント」ボタンの位置が液晶モニター左上部分へと移動された。さらに右手親指が掛かる部分に滑り止めと思えるラバーが追加され、大きくなった膨らみとともにグリップ感が向上されている。また「KissデジN」では十字形に配置されていた7点AF測距点が、「KissデジX」では菱形配置の9点AF測距点へと変更されている。これは上位機種の「EOS 30D」と同等の配置となり、より自由な構図に対応したことになる。
「KissデジX」は三世代目にして遂に有効画素数1010万画素となった。これで「ソニーα100」などと並びデジタル一眼は10メガピクセルの時代へと突入したことになる。A3プリンターを使用してのプリントにも余裕で対応できるので、より写真を楽しむ幅が広がったと言えるだろう。ただ高画素化に伴い画像一枚あたりのサイズも大きくなっているので用意するCFカードの容量には注意が必要だ(ラージJPEGファイン:約3.8Mバイト/枚、RAW:約9.8Mバイト/枚)。
「KissデジX」にはピクチャースタイルも搭載された。これでピクチャースタイル搭載機は「EOS 1Dマーク2N」「EOS 5D」「EOS 30D」となり、プロ機からエントリー機まで統一した色管理が行えるようになった。このピクチャースタイルを活用することで被写体に合わせてフィルムを選ぶように色彩および画像の絵作りを選択することが可能になる。このシステムはキヤノン独自の物だが、デジタルカメラに絵作りの概念を取り入れた功績は大きい。たとえエントリー機の「Kissデジ」であっても、写真表現にプロ機との差を作らないというスタンスだ。




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