Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社のボーダーズと共同調査のもと、動画共有サイトに関する調査を行った。
≪調査結果サマリー≫
Q1では、動画共有サイトで見た動画を誰かに伝えたことがあるかを尋ねた。 その結果、約半数となる49.3%のユーザーが「伝達したことがない」という回答した。 「伝達をしたことがある」ユーザーは50.7%となるが、その内訳は「友人・知人に口頭で伝えた」が最も多く38.9%、次いで若干の差は開くものの「友人・知人に電子メールで伝えた」の10.8%が続く結果となった。
情報の伝達方法については、口頭が最も多いということで、動画共有サイトで視聴した事柄を学校や職場などで話題にするというユーザーの生活シーンが想像される。 また、電子メールで共有するというユーザーが10.8%存在していることからは、動画共有サイトにある電子メールを使った情報共有の仕組みがユーザーに受け入れられているのではないかと考えられる。
Q2では、動画や動画サイトへの到達手段を尋ねた。 その結果、「サービス名を検索して」と回答したユーザーが最も多く48.3%、次いで「お気に入りやブックマークから」の40.9%、そして「見たい動画を検索して」の30.7%が続く結果となった。
お気に入りやブックマークは、1つのウェブサイトを複数回(一度ブラウザを閉じる事を前提として)視聴する上では非常に便利な機能である。また、ここ数年で「はてな」や「Buzzurl」など、ソーシャルブックマーク機能を提供する企業やサイトが非常に増えた。
今回の調査をするにあたり、Webマーケティングガイドでは「多くのユーザーはブックマークやお気に入りから動画共有サイトに移動するのではないか」という仮説を立てていた。 しかし、本調査では「お気に入りやブックマークから」動画や動画サイトへと移動するユーザーは半数を下回っていることがわかった。 インターネット白書2007の発表では、検索エンジンの利用率は90%を超えており、この検索エンジンの普及が、お気に入りやブックマーク機能を利用するユーザーの減少につながっているのではないかと考えられる。
Q3では、「MyTube」や「RIMO」のような動画の自動収集サイトの認知と利用状況について尋ねた。その結果、動画自動収集サイトの利用者(「知っており、利用もしている」)はわずか5.2%に止まり、認知者(「知っており、利用もしている」と「知っているが、利用はしていない」の合計)を見ても、その結果は24.8%と低い水準となった。
Q4では、動画自動収集サイトを今後利用したいと思うかを尋ねたところ、利用意向があるユーザー(「非常に思う」と「少し思う」の合計)は41.6%となり、半数を下回る結果となった。
横断型のサービスはユーザーにとって非常に便利であり、検索周りのサービスだけを見てもその種類は数多くある。 以前話題となった「Yahoogle!(ヤフーグル)」や、最近では検索サイト「フレッシュアイ」を運営するニューズウォッチがWikipediaとニュース記事、そしてウェブサイトを一括検索できる「ワンページ検索」の提供を開始した。ただし、これらのサービスは市場に広まるというよりは、一部のユーザーのみがその利便性を享受しているという状況にあるように思われる。
動画自動収集サイトの普及のカギを挙げるとすれば内的要因と外的要因の2つが挙げられる。内的要因としては、一部のユーザーからの横展開とその結果としての認知度向上。そしてもう1つ、外的要因としては各動画共有サイトが独自性のあるサービスを提供することで、横断型である動画自動収集サイトの必要性が高まっていくこととなるのではないだろうか。
Webマーケティングガイドでは、動画共有サイトに関する調査を3回にわたって調査してきたが、1回目では、動画共有サイトの視聴ジャンルとしては「日本のテレビ番組」の利用が最も多く、今後の利用意向としては「国内・国外の映画」が高い水準にあることがわかった。 ユーザーニーズを考えると、見逃してしまったテレビ番組やもう一度見たい番組を見ることの出来る動画共有サイトが高い支持を得ることが出来るだろう。
ただし、各放送局もこの事態を黙って見ているわけではない。
フジテレビは先日、インターネット配信事業を強化していくことを発表した。まずはその一貫として、同社が運営する「フジテレビ・オン・デマンド」の中で人気バラエティー番組である「あいのり」の放送を決定した。視聴料は有料であり、一話315円、月額の定額制は525円となっているものの、同番組は女性を中心に非常に人気を集めていることから、その利用が伸びるのではないかと考えられる。
(参照:「フジテレビ、人気番組をネット配信/ITPlus」)
動画共有サービスを取り巻く環境は以上のように変化を遂げている。 放送局とのすみ分け、もしくは協業。また、著作権問題も重要な事象であり、各メディアは動画ビジネスについて模索を続けていることだろう。
Webマーケティングガイドでは、動画ビジネスの環境変化とともに ユーザーの意識についても継続的な調査を行っていく予定である。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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サンプル数 :500
調査期間 :2007年11月05日〜2007年11月07日
調査方法 :インターネットリサーチ
調査機関 :ボーダーズ
対象者 :16歳〜59歳までの男女
割付 :男女50%の均等割付
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