先般、新聞報道などでYahoo! JAPANにおける、ディスプレイ広告のリニューアルに伴い、広告効果が伸びている、という記事を目にした。中には広告代理店営業マンの声を掲載したものまであり、かなり現実的な記事だったことが記憶に新しい。
既に各方面で報じられているとおりだが、おさらいしておくと、10月から実施されているYahoo! JAPANにおけるディスプレイ広告リニューアルの大きな変更点としては、長らくページ上部を支配し続けていた「スーパーバナー」がほとんどのページから撤去され、同じくほとんどのページへ「プライムディスプレイ」と呼ばれる300×250ピクセルという大型の広告商品が設置される、という内容だった。 狙いとしては、
の3つであった。
新聞報道にあるとおり、事実既存の主力商品であるスーパーバナーに比べCTRは向上しており(実数はお出しできないものの、確実な結果があがっている)、今後本商品がYahoo! JAPANにおける主力商品となることは間違いなく、現状、Yahoo! JAPANを見ると多くのCM素材や、リッチバナーが掲載されており、ユーザーもストレス無くそれを受け入れられる環境になりつつあるのだと想定できる。
さて、このようなリッチバナーが主力となりつつあるYahoo! JAPANと同様に、国内ポータルサイト各社はリッチバナーを導入する傾向にあるものの、一方でテキストが重要視される現象が起きているのをご存知だろうか。
以前は、獲得件数を重視した際に、ポータルサイトで最も人気のある商品といえば、MSNの「今日の特集サイト」であった。30文字程度の、完全なるテキストリンク広告である。実は、本国U.S.におけるMSNのトップページにはこのような広告商品は無く日本特有の広告商品ではあったが、絶大なる誘導効果がある商品として長らく多くの広告主にご利用いただいていた。
今、このテキストリンク広告に近く、リッチバナーに相対する商品として「Gif+テキスト」の広告商品が続々とリリースされてきている。掲載されているイメージとしては次のとおり。
Gif、といっても静止Gifであるところがまた非常にシンプルではないだろうか。(Yahoo! JAPANに限って言えば、同一ページで複数の同時アニメーションはさせないといった主旨のルールがあるようで、ページ内のあちこちでバナーが動いていることはまず目にする機会が無い)Yahoo! JAPANに限らず、各ポータルサイトでもこういった種類の広告商品が続々とリリースされている。
各サイトのトップページにGif+テキストの広告商品が設置されているもので、簡単に調べた限りでも、au one、BIGLOBE、goo、MSN、OCNと大手各社では軒並みである。では、何故リッチバナーと相対するこのような商品群が、続々とリリースされているのだろうか。私なりの考えをここに記してみよう。
といったところである。
中でも、3点目のスピーディーな対応については、特に弊社を含めたネット専業系の代理店が得意とするポイントであり、クライアントからも評価を頂くケースが多くなっている。
大きな流れとして、ディスプレイ広告のリッチ化が叫ばれているものの、一方ではこのようなシンプル・バナーを求める広告主も多数おり、今後は相反する2種の商品が、ディスプレイ広告市場を牽引していくだろう。
近藤洋司(セプテーニ)
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