適切な広告予算のつけかたって?--広告効果を最適化する方法:後編

Webマーケティングガイド2007年10月26日 13時00分

 前稿ではウェブ領域の間接効果について触れたわけだが、マス広告からウェブへのクロスメディア効果を考えた上で予算設定をしている企業はいったいどれくらいあるだろう?

 本稿はクロスメディア効果を見据えた上での広告予算設定の仕方を考えようと思う。

 まず、そもそもマス広告が与える他媒体への影響力はどれほどのものなのか?TVCMからウェブへの影響力を元に考察してみることにする。

  • サイトPVから推測する
    スポットCM時期の前後一定期間の統計を取り、企業サイト・ブランドサイトのPV推移から影響度を推測する。 スポットCM効果が高ければ高いほど、CM放映後のサイトPVは上がることになる。 また、企業・サービス名での検索数も増加する。
    もっともシンプルな測定方法と言える。スポットCM経験が少ない企業であればこのような測定方法は有効であるが、継続的に多くの予算を割り当てている企業にとっては正確な測定は困難かもしれない。
  • 特定キーワードの検索数から測定する
    「●●●」と検索という、今では多くの企業が導入をした、または検討したであろう手法を用いる。 「●●●」というキーワードは覚えやすく、かつ一般的ではない(普段検索されない)言葉が好ましい。 スポットCM後、特定キーワードの検索数自体が影響度といえ、リスティング広告を実施している企業であれば、そのキーワードからの成約を図るとより有効なデータとなるだろう。
  • CM+HP上でのキャンペーン告知
    TVCMでの訴求メッセージを、HP上の特設サイトから入力してもらい、オープン懸賞キャンペーンを行う。 TVCMを見たユーザーで、HPに訪れたユーザーでなければ回答が困難なメッセージにすることで、TVCM効果を検証する。
  • コールセンター(インバウンド)、HP上の商品申込フォーム内にアンケートの設置
    コールセンターでの、最終影響媒体「あなたは何を見て電話をかけましたか?」または、商品申込フォーム内に、申込の動機になったメディアを選択させる方法。 最も手がかかるが、最も確実な方法。
    実際、TVCMスポットを年2回大規模に展開し、他は新聞・雑誌、ウェブリスティング広告を中心に反響を取っている企業の事例では、申込フォーム内にアンケートを設置し、検証を行ったが、投下予算がTV50%に対し、反響数はTV30%、ウェブ60%であった。(ウェブ予算は20%程度) (※ただし、申込フォームはウェブ上なので、ウェブとの相性は良いという前提は考慮する必要がある。)

 ブランドコンセプト(認知)、サービス発売時期、企業の成長率、その他様々な要素が加わり決定している広告予算。 その要素の一つに、クロスメディア効果を加えてみてはいかがだろう。マスとウェブの予算配分を少し変えるだけで、年度の目標達成に近づくのではないだろうか。

福原雄亮(株式会社セプテーニ)

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