Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社の株式会社 ボーダーズと共同調査のもと、インターネットセキュリティについて調査を行った。
今回のインターネットセキュリティに関する調査(中)では、セキュリティ上の不安を感じるのはどのような時なのか、またウェブサイトへ情報を入力する際に抵抗を感じるのはどのような情報なのかを調査した。 その結果、最も入力の際に抵抗を感じる情報は「自宅の電話番号」となった。
調査対象は、20歳以上のインターネットユーザー500人。 男女比は、50%ずつの均等割り付けを行った。 年齢比は、20代:19.6%、30代:41.6%、40代:24.2%、50代:11.0%、60歳以上:3.6%となった。
Q1では、どのような時にセキュリティ上の不安を感じるのか尋ねたところ、「見覚えのない人、会社からメールが送られてきた時」が63.8%で最も多く、次いで「スパムメールが送られてきた時」が58.2%となった。 どちらもメールが送られてきた時に不安を感じるという結果となっており、メールアドレスが知らない人に知れ渡っているかもしれないと不安を与えていることが伺える。
最近では企業から送られてきたと思わせるメールにアクセスして会員番号や口座番号などを入力させるようなフィッシング詐欺や、メールを開封しただけでウイルスに感染するメールなどもある。 [参考:インターネット界のオレオレ詐欺 “フィッシング詐欺”にご注意(AllAbout)]
しかし、現状ではウイルス問題においては世界中で犯罪者と取り締まりとのイタチごっこになっているため、常に最新のセキュリティ情報を入手しておくとともに、メールの受信に関しても十分に注意をすることが必要だと考えられる。
Q2では、ウェブサイトへ入力するのに抵抗を感じる情報について尋ねたところ、「自宅の電話番号」が72.2%で最も多く、次いで「住所」が64.8%、「携帯の電話番号」59.4%となった。
電話番号や住所の回答が多かった理由としては、売り込みやイタズラがあるのではないかと警戒してしまうからではないかと考えられる。 例えば、個人年収や個人資産、病歴などは単体では個人を特定することがほとんどできず、仮に氏名と組み合わせたところでもやはり個人を特定するのは困難な情報となる。 しかし、電話番号や住所は氏名と組み合わせることで個人を特定することが出来てしまうため、情報提供に抵抗を感じる人が多いのではないかと考えられる。
「PCのメールアドレス」は28.4%と少なく、入力することに抵抗を感じているユーザーは少ないという結果になった。 最近ではサイトへの入力だけではなく、申込書や登録用紙、会員申請書など様々な資料にメールアドレスの記入する欄を見かける機会が多くなってきた。 以前までは氏名・年齢・住所・電話番号が基本だったが、メールアドレスを持つ人が多くなり記入する人も多いのではないだろうか。
このようにメールアドレスを入力・記入する機会が増えたことでユーザーの抵抗を下げているのではないかと考えられる。
Q3では、会員登録をする際に本当の名前や誕生日を入力するのか尋ねたところ、氏名・生年月日どちらおいても「いつも正しく入力する」という回答が最も多く、約70%となった。 次いで「だいたい正しく入力する」が約20%となり、「いつも正しく入力する」という回答とあわせると90%近くが正しく入力していることになる。
Q2の調査結果で入力する情報に抵抗があるものとして「氏名」は42.8%、「生年月日」は30.0%となっており、電話番号や住所などに比べると抵抗を感じている人は少ないため、いつも正しく入力する人が多いと考えられる。
現状ではインターネットショッピングやオンライントレード、ネットバンクなど様々なサービスがあり、インターネット上で完結するサービスが増え、ユーザーの利便性は高まっているがその分、個人情報などセキュリティ問題も増えることになる。 そのためにはサービスを提供する企業だけではなく、私たち利用者側も普段から十分注意しながら便利なサービスを利用する必要があると考えられる。
また、企業サイトの中には資料請求にも関わらず電話番号や生年月日などの情報を求められることがある。企業側から見ると営業資料もしくはマーケティングデータとして必要とも考えられるが、エントリーフォームを作る際は、上記のデータが示すように、不必要な情報は項目から外すなど、ユーザーの目的を重視したフォーム作りが重要になってくると考えられる。
Webマーケティングガイドでは、ユーザー視点にたった、EFO(Entry Form Optimization:エントリーフォーム最適化)を提唱しているが、ユーザーの視点にたった、エントリーフォームの設計をすることが、最終的にユーザーからの信頼性に繋がると考えられる。 ※エントリーフォーム最適化(EFO)〜EFOはコンバージョンをあげる特効薬〜
次回のインターネットセキュリティに関する調査(下)では、IDやパスワードはいくつ持っているのか、またそれをどのようにして記憶しているのかについて調査してみようと思う。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。 あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。 業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。 より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、 リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :500
調査期間 :2007年07月31日〜2007年08月2日
調査方法 :インターネットリサーチ
調査機関 :株式会社 ボーダーズ
対象者 :20歳以上の男女
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