Webマーケティングガイドでは、インターネットの利用に関する調査を企画し、株式会社エルゴ・ブレインズが運営するターゲットリサーチのリサーチパネルに対してインターネット調査を行った。
今回の調査では、インターネット上の3D仮想空間「セカンドライフ」について、その利用実態を調査した。
その結果、セカンドライフを認知しており、かつ現在利用しているユーザーは全体のわずか0.7%であることがわかった。
調査対象者は、インターネットをすでに3年以上利用してしている20歳〜49歳までの男女300人。男女比・年齢比は、20歳〜34歳の男性と女性、そして35歳〜49歳の男性と女性による4セルで均等割付けを行った。
まずQ1では、「セカンドライフ」の認知と利用状況を尋ねたところ、「セカンドライフを知っており、利用もしている」というユーザーはわずか0.7%で、300人中4人のみが現在セカンドライフを利用していることがわかった。
また、「セカンドライフを知っているが、利用はしていない」ユーザーは50.7%と半数を超え、「セカンドライフを知らないし、利用もしていない」ユーザーは48.7%であることがわかった。
つまり、セカンドライフの利用率は1%を下回り非常に低いものの、認知率に関しては51.4%と半数以上のユーザーに広がっていることが伺える。 ただし、本調査は2007年07月10日(火)〜同月12日(木)までに行なった調査であり、日本語版セカンドライフがローンチされた現在では、より高い認知と利用状況になっているのではないかと考えられる。
Q2では、セカンドライフのようなインターネット上の3D仮想空間にどのようなものを求めるかを尋ねたところ、最も回答が多かったのは「わからない/知らない」で55.7%のユーザーが回答している。
この結果から、多くのユーザーは仮想空間においてどのようなことができ、どのような可能性があるのかをまだ把握しきれていないのではないかと考えられる。
また、その他の回答としては「実際には出来ないような経験」が26.3%、次いで「色々な人との交流」の19.0%、そして「お金儲け」の17.3%が続く結果となった。
セカンドライフが持つ強みの一つとして挙げられるのが「同時性」である。これは、日本で1,000万人ものユーザーが登録しているmixiなどのSNS、そして最近非常に盛り上がりを見せているTwitterなどのサービスにはない特徴であり、世界中のユーザーとリアルタイムにコミュニケーションを取れるというこの強みはユーザーがセカンドライフを利用する動機の一つとなるのではないかと考えられる。
Q3では、Q1で「セカンドライフを知っているが、利用はしていない」と回答した152人に対してセカンドライフを利用していない理由を尋ねた。 その結果、「セカンドライフに興味がないから」が最も多く、半数近くとなる44.1%のユーザーが回答した。
その他の回答としては、「利用する時間がないから」が38.2%で2番目に多く、次いで僅差の3番目には「セカンドライフの仕組みがよくわからないから」が36.2%で位置する結果となった。
また、注目すべきは25.7%のユーザーが「日本語サービスがないから」と回答していることである。やはり、今までは日本語版の提供がなかったことがユーザーにとっての大きな障壁となっていたのではないかと考えられる。
日本語版のリリースは、セカンドライフのサービスや仕組みの理解へも繋がっていくと考えられるため、今後セカンドライフの利用は今まで以上のスピードで進むのではないだろうか。
そして、セカンドライフの日本での普及を考えた場合、日本語ベータ版のローンチされた現時点での取り組みが今後の展開に大きく影響を与えるのではないかと考えられる。
セカンドライフの日本語版は7月17日より「日本語ベータ版」としてようやくローンチされ、これから本格的にサービスが普及していく段階であるが、英語版のセカンドライフを既に利用していたユーザーもおり、これらのユーザーをイノベーター理論でいうところの「イノベーター」と定義すると、日本語ベータ版がローンチされた現在、セカンドライフの利用を始めた、もしくは始めようとしているユーザーは「オピニオンリーダー」と捉えることが出来るであろう。
イノベーター理論に基づけば、オピニオンリーダーは市場の13.5%ほどを占めており、この層は商品普及のおいても非常に重要な要素を担っている。 つまり、セカンドライフがこの層の支持を獲得出来るかどうかによって、この後に利用を始めるアーリー・マジョリティやレイト・マジョリティへとサービスが拡大するかどうかが大きく変わってくるのである。
今回の調査結果でも、セカンドライフを利用しない理由として19.1%のユーザーが「周囲でやっている人がいないから」と回答しており、セカンドライフの日本語ベータ版がローンチした現時点では、いかにオピニオンリーダーを獲得するか、そしていかに彼らの影響力を市場全体に広げられるかがセカンドライフの普及のポイントとなるのではないだろうか。
次回の「セカンドライフに関する調査(下)」では、セカンドライフ内でのアバターやアイテムの利用、そしてセカンドライフの利用意向について迫っていく。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :300
調査期間 :2007年07月10日(火)〜2007年07月12日(木)
調査方法 :インターネットリサーチ
調査機関 :ターゲットリサーチ
対象者 :20歳から49歳の男女
本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
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