Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、普段PCのインターネットを利用しないユーザーの実態調査を行った。
なぜ、インターネットの利用をPCではなく携帯電話のみを利用するのか、また今後はPCのインターネットを利用すると思うかを調査したところ、携帯電話でインターネットを行う理由として、「PCを持っていないから」というユーザーが多く、また「今後はPCのインターネットも利用したい」と思うユーザーの回答が多い結果となった。
総務省が発表した平成18年通信利用動向調査によると、PCからのみのインターネットユーザーは1627万人、携帯電話・PHS及び携帯情報端末からのみのインターネットユーザーは688万人となった。平成17年の通信利用動向調査ではPCからのみの利用者が1585万人、携帯電話・PHS及び携帯情報端末からのみの利用者は1921万人と、携帯電話のみの利用が上回っていたが、平成18年では逆転する結果となった。
しかし、まだ携帯電話からのみのインターネット利用者も多く、携帯電話からのみインターネットを利用するユーザーの実態を調査する必要があると考えた。
今回の調査対象は、10代〜40代のモバイルユーザー300人。 男女比は、男性:27.7%、女性:72.3%となり、年齢比は、10代:33.7%、20代:22.3%、30代:15.9%、40代:13.6%となった。 またキャリア比は、DoCoMo:46.7%、au:42.0%、SoftBank:11.3%となっている。 さらに、今回は調査対象者を絞り込むために事前調査を行い、インターネットの利用(メールを除く)は、【ほぼ携帯電話を利用している】と回答したユーザー300人のみを対象とした。
まずQ1では、インターネットをPCではなく携帯電話で利用している理由について尋ねたところ、「PCを持っていないため」が34.0%で最も多く、次いで「PCを立ち上げるのが面倒だから」が26.0%、「持っているPCがインターネットにつながらないため」が19.7%となった。
また、「PCが家族と共有のものだから」という回答も13.7%と多く、自分で自由に使える、もしくは単純にPCがないというのがPCインターネットを利用しないことに大きく影響していると考えられる。
それ以外の理由としては、PCの利用実態について地域差も少なからずあるとは思われるが、自宅にPCがなくても学校や職場、ネットカフェなどの登場により、現在ではPCが比較的簡単に利用できる環境になりつつある。 このことを考えると【自分で自由に使えるPCを持っていない=PCを利用しない】のではなく、「買ってまで利用したいと思わない」又は「必要がない」という、PCに対し何らかの抵抗が影響しているのではないかと考えられる。
続いてQ2では、今後PCのインターネットを利用したいと思うか尋ねたところ、「今後利用したいと思う」が55.0%で最も多く、次いで「モバイルインターネットで十分」が24.7%という結果になった。
Q1では、PCに対し何らかの抵抗があるのではないかと述べたが、Q2では今後のPC利用意向が高いユーザーが半数以上いる一方で、「携帯電話だけの利用で十分」というユーザーも25%近くいるため、利用内容によっては、PCよりも携帯電話のほうが便利で、使いこないしているユーザーが多くいると考えられる。
普段からPCを中心にインターネットやメールを利用しているユーザーとは異なり、携帯電話からインターネットやメール利用しているユーザーは、携帯電話での検索や、ブログ更新、また携帯電話で小説を書くなど、長文でも難なくこなしていており、携帯電話ユーザー独自の文化を創っていると言えるのではないだろうか。 しかし一方では、PCでのインターネット利用の需要も強くあることから、携帯電話の文化とは別のニーズがPCのインターネットには求められていることが、この調査結果から伺える。
Q3では、Q2で回答した理由をそれぞれ由を自由回答で尋ねた。 その結果、Q2で「今後利用したいと思う」ユーザーの理由としては、PCでないと見れないサイトがあることや、検索の早さ、情報量の少なさをあげているユーザーが多かった。
「モバイルインターネットで十分」と回答した理由として、PCは面倒で携帯電話のほうが便利であるという回答が多くなった。 現状に満足しており、携帯電話のみのインターネット利用に対して不便さを感じていないユーザーが多く存在する結果となった。 また料金面ではパケット代よりも、回線費用やプロバイダー費用などのほうが高いという認識があるようで、PCにしたほうが月の費用が高くなりそうという回答もあった。
平成18年通信利用動向調査のインターネットの利用目的(世帯構成員)を見ると携帯電話では「連絡・情報交換」が59.5%と突出して高く、次に「情報入手」(28.0%)、「デジタルコンテンツの入手・聴取」(21.4%)の順。一方、パソコンでは「情報入手」(67.5%)が最も高く、次いで「連絡・情報交換」(55.0%)、「商品・サービスの購入・取引」(41.4%)、「デジタルコンテンツの入手・聴取」(17.2%)の順となっている。 このことからも、PCと携帯電話では利用目的が異なるが、日々進化するPCや携帯電話のなかで、今後どのような利用シーンが考えられるのか、次回でレポートしたい。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。 あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。 業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。 より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、 リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :300
調査期間 :2007年06月18日〜2007年06月18日
調査方法 :モバイルリサーチ
調査機関 :ネットエイジア株式会社
対象者 :16歳から49歳の男女
本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
アンケート回収データ・クロス集計サービス・レポートは有料にてご購入いただけます。
調査や有料サービスをご検討の方はお気軽にお問合わせください。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」