Webマーケティングガイドでは、旅行とインターネットの利用についての調査を企画し、インターネット調査会社である株式会社マクロミルが保有するリサーチパネルに対して調査を行った。
第1回に引き続き、第2回では、旅行中のインターネットの活用について尋ね、どの程度旅行者がパソコン、またはモバイルでインターネットを使っているかを調べた。
その結果、パソコンでは約4割の人が、モバイルでは約半数の人が旅行先でインターネットを使ったことがあることが分かった。
調査の対象は20代〜50代のパソコンインターネットユーザー206人。 男性・女性それぞれ103人ずつの均等割り付けを行った。
Q1では、旅行中にパソコンまたは携帯電話でインターネットを使ったことがあるかを尋ねた。 その結果、パソコンでは42.2%の人が、携帯電話では49.5%の人が旅行中にインターネットを使ったことがあると答えた。
パソコンよりも携帯電話の方が利用されているケースが若干多い結果となり、場所を選ぶことの少ない携帯電話でのインターネットが浸透している結果なのではないだろうか。
さらに、総務省の2005年に発表した通信利用動向調査では、日本の携帯電話の利用率は、20代〜40代では9割を超えており、60代後半でも約5割に達している。 また、携帯電話でのインターネットの利用率も2005年にパソコンを上回っており、今後ますます携帯電話でのインターネット利用は盛んになると考えられる。
しかしながら、パソコンでのインターネットの利用も42.2%と4割を超えている。 旅行とパソコンは一見そぐわない組み合わせのように見えるが、旅行先でパソコンに触れる機会はいくつか考えられる。
例えば、ホテルや旅館では、客室やロビーにインターネットに接続できる端末を置いている場合もあり、簡単にアクセスできることや、海外旅行に関するサイトでは、渡航先にネットカフェがあるかどうかなどが掲示板の話題にあがることがある。
また、旅先でもインターネットに接続できるノートパソコンを旅の友に連れて行く人も多いだろう。
2005年にアイブリッジが運営するリサーチプラスが20代から50代の男女会社員に対して行った調査によると、長期休暇などで旅行にでかける場合、「可能であればノートパソコンなど、インターネットにつないで作業できる機器を持っていきたいと思う」ユーザーは58.3%にも及んでいる。 また、その利用目的も「平日と同じように趣味や娯楽など興味のあるサイトをチェック(利用)する」が最も多く(26.5%)、旅行先でのインターネット利用のニーズが少なからずあるということがわかる。 【参照:『休暇とインターネット利用の関係』(リサーチプラス調査)】
息抜きに行った旅行先でまでインターネットに触れるのは気が進まないという意見も聞こえてきそうだが、宿泊先で、また観光先の一角などで旅行を充実させるための情報をインターネットで検索するという場面も今後増えそうである。
特に旅行前にあまり時間がなく、観光や移動に関する情報を十分にリサーチできなかった人にとっては、旅行先でインターネットに接続できる環境はとても心強いのではないだろうか。
Q2では、旅行先でパソコンまたは携帯電話でインターネットを利用したことがある人を対象に、どんなサービスを利用したことがあるかを尋ねた。
その結果、パソコン、携帯電話ともに「インターネットサイトの閲覧」が最も多く、それぞれ93.1%と91.2%と9割を超えた。
それ以外では、パソコンではブログの利用が多く、「ブログサイトの閲覧」28.7%、「ブログの更新」19.5%となり、また、携帯電話ではSNSの利用が多く「mixiなどSNSの閲覧」18.6%、「mixiなどSNSの更新」が16.7%となった。
携帯電話でSNSの利用が比較的多いのは、やはり2006年11月の「EZ GREE」サービスの開始や2007年2月のmixiモバイルがiモードの公式サイトになったこともその理由として挙げられるのではないだろうか。
これまで旅先での通信手段としては、葉書や手紙を書くことがメインだったが、ブログやSNSの普及によって、インターネット上でも旅先から気軽にコミュニケーションができるようになった。
送る人の筆跡や旅先の風合いが残る絵葉書も旅の思い出として趣きがあるが、リアルタイムで旅の感動を発信し、またそのレスポンスを画面上で確認できるインターネットは、新しい旅行記の発信源となっていくと考えられる。
Q3では、旅先で利用したサイトの種類について尋ねた。
その結果、パソコンでは「観光案内」が最も多く70.1%、次に「地図」58.6%、「天気」57.5%となった。 ともに観光の予定を決めたり、行動計画を立てるために重要なサイトである。 ガイドブックの代わりに、インターネットで目的の観光地を探し、必要な情報だけをメモにとったり、プリントアウトするなどして、フットワーク軽く観光に向かう旅行者もいるのではないだろうか。
携帯電話では最も多いのが「天気」で57.8%、次に「交通情報」54.9%、「地図」46.1%となった。
このように、旅行先でも、現にパソコンまたは携帯電話で、インターネットは活発に利用されていることがわかる。 情報収集やウェブサイトの閲覧だけでなく、ブログやSNSが普及することによって旅先でもインターネットを利用しての情報発信や、コミュニケーションをとるユーザーが増えてきているようである。
また、2006年ゴールデンウィーク期の国内旅行者数は、4,314万人となっており(参照:『2006年4-6月期国内宿泊旅行者の動き(JTBF観光経済レポート)』)、旅行者を対象とした情報サービスは、今後新たな分野としてニーズが増えてくるのではないだろうか。
次回(後編)では、旅行後にインターネットで旅の思い出を情報発信するか、また、旅先で知り合った人とインターネットを使ってその後もコミュニケーションを続けるかということについて調べてみたい。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :206
調査期間 :2007年03月06日(火)〜2007年03月07日(水)
調査方法 :インターネットリサーチ
調査機関 :株式会社マクロミル
対象者 :20歳から59歳男女
本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
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