Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、第1回学生のアルバイト探しに関するモバイルリサーチ調査を行った。
今回の調査対象は、15歳以上〜22歳未満の学生モバイルユーザー300人で、男女比については50%ずつの均等割付けを行った。キャリア比はDoCoMo:43.3%、au:44%、SoftBank:12.7%となっており、年齢比は15〜18歳:36.3%、19〜22歳:63.7%となっている。また、高校生:100、短大・専門学生:100人、大学生:100人の均等割付けも行った。
まずQ1では、携帯電話を使ってアルバイト情報を探したことがあるかどうかを尋ねた。その結果、「ない」と回答したユーザーが最も多く50%(148人)となっており、半数の学生は携帯電話でアルバイト情報を探したことがないということがわかった。
また、「ある」と回答したのは35%(105人)、そもそも「アルバイトを探した事がない」という学生は15%(43人)という結果となった。
多くのユーザーにとって、もはや携帯電話は生活をしていく上で欠かす事の出来ないものとなっているように感じられるが、特に友達とのコミュニケーションを重視する学生にとっては、その傾向がより顕著なのではないかと考えられる。つまり、学生にとって携帯電話は使い慣れた日常の必須デバイスであると言えるであろう。
このような現状があるにもかかわらず、今回の調査結果では半数のユーザーは携帯電話でアルバイトを探した事がないと回答しており、モバイル求人サイトはまだまだ若者の間には浸透しきれていないと考えられる。
この原因については、「パケット代の問題」や「携帯電話の使い勝手」、また「他のメディアによる人材情報の影響」など様々な諸説が考えられるが、もしモバイル求人サイトの普及に上記した「パケット代」と「携帯の機能性」が大きな影響を与えているのであれば、今後は携帯電話でアルバイト探しをするユーザーが増えていくのではないだろうか。
というのも、ケータイ白書2007が伝えたところによれば、2007年9月には「パケット定額制」の普及率は33%(3278万人)となる見込みで、2007年3月(推計)の28%(2,714万人)から大幅な上昇を遂げるといわれており、また3G携帯と呼ばれる世界基準の携帯電話の普及率についても2007年3月(推計)の73%(7,048万人)から81%(7,948万人)へ、8%も上昇すると推測されているからである。〔参照:「ケータイ白書2007」(インプレスR&D)〕
ただし、これはどれも推測の域を出ないため、より詳細にユーザーの意識調査をする必要があるだろう。
Q2では、Q1で「アルバイトを探した事がない」と回答した学生以外に対して、初めてアルバイト情報を探したきっかけを尋ねた。その結果、最も多くの学生が回答したのは「広告を見て」で46.7%(49人)となっており、半数近くの学生が広告によってアルバイト情報サイトへの興味を喚起されていることがわかる。
次いで2番目に多かった、「以前から知っているサイト名を検索して」という回答で42.9%(45人)という回答にも注目をする必要がある。この回答結果からは、若者の行動の中に”モバイル検索”が浸透しつつあるということと、彼らの行動が受動的なだけではなく、能動的でもあることが見受けられる。
企業やサイト運営を運営されている方は、中高年にはない、この若者ならではの積極性と勢いをうまく引き出し、ユーザーが能動的に行動できるようなスキーム作りをしてあげることが必要であり、それは若年層の攻略に対する一つの回答であると考えられる。
最後にQ3では、Q2で「広告を見て」と回答したユーザー49人に対して、アルバイトを探すきっかけとなった接触メディアは何であるかを尋ねた。その結果、回答数が最も多かったのは「携帯のインターネット広告を見て」で59.2%(29人)となった。2番手以降は、「雑誌広告を見て」の34.7%(17人)、そして「テレビCMを見て」の28.6%(14人)と続く結果となっている。
この上位3つの回答(1位:携帯電話、2位:雑誌広告、3位:テレビCM)をみると、やはりモバイル求人サイトへの”たどり着きやすさ”が大きく影響していることがわかる。
1位の携帯のインターネット広告であるが、これはクリックすれば自動的にサイトへ移動することが出来るので至極簡単であり、1位にも納得ができる。
次いで2位は雑誌広告であるが、求人サイトへの到達方法として、QRコードやキーワードでの検索(○○と検索など)、またURLの直接入力という3つの可能性が考えられる。第1回QRコードの利用実態に関する調査でも明らかになったように、QRコードの認知率は76%で、さらにそのうちの80%のユーザーはQRコードをスムーズに利用することが出来ると回答していることからも、雑誌広告からの移動はそれほど難しいものではないと考えられる。
また、雑誌広告はメディア広告の中でも商品情報を「深く知る」ことができる特性がある。つまり、ファッションやスポーツなど自分の興味がある雑誌を愛読しているユーザーは多く存在し、彼らは継続的にそれらを購読することで、そこにある広告を無意識的に受け入れること(刷り込み)が出来るようになるのではないだろうか。
そして、3位のテレビCMであるが、雑誌広告のようにキーワードでの検索(○○と検索など)が可能であり、URLの直接入力も不可能ではないが、表示時間が非常に短いこと、そして録画映像でない限り「一時停止」や「巻き戻し」が出来ないことが大きな障壁となる。しかし、テレビが持つその巨大なリーチは誰もが認めるところだろう。つい口ずさんでしまうフレーズやCMソングなどはその典型であるといえる。
このように、それぞれのメディアには接触メディアとしての特徴があり、それらを並列に並べる事は出来ない。今回の調査では、その辿り着きやすさから「携帯のインターネット広告」を介してモバイルサイトへ移動したユーザーが最も多かったが、直接的ではなくとも他のメディアが何らかの影響をもたらした可能性は十分に考えられる。
ユーザーの行動様式が多様化していること、また多くのユーザーは1元的な情報だけではなく、様々な情報を総合的に判断することを考えるならば、ユーザーの生活の中で、それぞれのメディア特性を活かし、どれだけコンタクトポイントを増やすかが、今後は重要となってくるだろう。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :300
調査期間 :2007年03月06日〜2007年03月07日
調査方法 :モバイルリサーチ
調査機関 :ネットエイジア株式会社
対象者 :16歳から22歳の学生
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