今回のテーマは「60、70歳代における携帯電話利用に関する調査」。
ここ数年で利用者数の増加が予測される60、70歳代の携帯電話利用について、「所有状況」「利用している機能」「通話相手」といった項目から利用状況を明らかにすると同時に、携帯電話に対する意識や考えについても調査を行った。※携帯電話にPHSも含む
今回の調査は10月11日に行い、60、70歳代の男女965人(年代:60歳代72.7%、70歳代27.3% gooリサーチモニター)から回答を得た。
若年層で見られる「携帯電話があるので固定電話は契約しない」という状況が60、70歳代においても見受けられるのかという観点も含め、携帯電話と固定電話の所有状況について尋ねた。結果として所有率は携帯電話80.8%、固定電話99.3%であり、携帯電話の所有が8割を超えている状況が確認できると同時に、60、70歳代においては、携帯電話の所有が固定電話の契約に特に影響していないことがうかがえる。
また、テレビのCMなどで、家族がシニアの方にコミュニケーションツールとして携帯電話をプレゼントするといったシーンがあるが、実際にプレゼントされるケースがどれくらいあるのかを含め、「現在、最も使用している携帯電話」の入手方法について尋ねた。結果、今回の調査では「自身での購入」が89.5%とまだ大多数を占める結果となり、「家族からのプレゼント」は、7.2%にとどまった。
具体的な通話内容は、「必要な連絡」(69.4%)、「待ち合わせ時の連絡(時間変更や場所の確認など)」(56.4%)、「帰宅連絡・確認」(45.6%)が上位にあげられており、「世間話などのおしゃべり」(14.1%)、「頼み事、相談事」(18.7%)など、比較的通話時間が長いと思われるものは低い結果となった。また、利用シーンとしては「用事で出かけているとき」(54.9%)、「待ち時間(電車やバス、人との待ち合わせなど)」(43.1%)の回答が多く、1通話あたりの通話時間は「5分未満」が占める割合が固定電話69.3%に対し、携帯電話は92.7%と23.4ポイントの差があった。ここから、主な利用シーンとして「外出先で用件の連絡、確認に使用」という状況が読み取れる。
今回の調査において特徴的であったのが、「よく電話をかける相手」の設問において「友人」(45.4%)が家族をおさえ最も多く選ばれたことで、友人間の連絡手段として、積極的に活用されている状況も明らかになった。
続いて通話以外で利用している携帯電話の機能を尋ねたところ、「メール」(78.1%)、「カメラ」(65.8%)、「携帯用ウェブサイト閲覧」(23.3%)の順で利用が多く、「メール」や「カメラ」といった機能を積極的に活用している様子がうかがえる。「メール」については、機能利用者の42.4%が毎日利用しているという結果であった。
また、アドレス帳への登録件数としては、「5人〜30人未満」が約半数の49.7%を占めた。一方で、「100人以上」登録している人も12.1%いた。
最後に「外出がしやすくなったか」という設問においては、「大変そう思う」「そう思う」の肯定的な意見を54.7%が選択しており(否定的な意見は17.6%)、携帯電話が外出をサポートする役割を果たしていることがわかる。
以上のことから、アクティブな人が増えているといわれる60、70歳代のライフスタイルと携帯電話の利便性は親和性が高いことが確認できる。また今後更に、外での活動をサポートするツールとして携帯電話が定着し、重要度が高まることが予想される。それに合わせ、今まで若年層向けのサービス開発が先行してきた感のある携帯電話向けサービスにおいて、60、70歳代以上をターゲットとした市場がより注目され、サービスの開発が進むのではないかと考えられる。
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