今回のテーマは「残業と仕事の効率化に関する意識調査」。
2007年12月に、政府によるワークライフバランス憲章とその行動指針が策定され、ますます仕事と生活のバランスに注目が集まるなか、残業が多いとされる日本でビジネスパーソンの意識はどのようになっているのでしょうか。
今回の調査は2008年2月22日〜2月24日で行い、全国の20歳以上のビジネスパーソン1080人(20〜29歳24.5%、30〜39歳24.9%、40〜49歳25.3%、50歳以上25.3%、男性68.2%、女性31.7%)から回答を得た。
ワークライフバランスという考え方についてほとんどの人が必要だと答えており、それを実現するためには「仕事の効率を上げる」「残業はあたりまえと考えている企業体質を改善する」と考えている人が多い。しかし、企業存続のためには残業が必要だと思っている人が9割以上いることから、仕事と生活のバランスを考えたいものの、現実的な視点で企業が存続していくためにはある程度残業は仕方がないと考えている人が多いようだ。
現在、残業をしている人はどのくらいしているのだろうか。週に4〜5回している人が約4割おり、残業があたりまえとなっている現状がうかがえる。
最近、「ノー残業デー」を設ける企業が多いが、勤めている会社に「ノー残業デー」があるか聞いたところ、34.8%の人があると答えている。この「ノー残業デー」、有名無実化しているのではないか。「ノー残業デー」に定時で必ず仕事を終わらせている人は40.2%おり、「時々、終わらないときがある」とあわせると8割以上の人は「ノー残業デー」を利用していることがわかった。「ノー残業デー」という制度はその目的を果たしているといえる。
企業側と社員側でどのような考えを持っているから残業が減らないと思っているのか。残業が減らない理由は個人がどのような考えを持っているためか聞いてみたところ、「時間内に仕事が終わらなければ、残業すれば良い」という考えや「周りの人が残っているのに、自分だけ早く帰るのは後ろめたい」という考えが多かった。一方で、企業側がどのような考えを持っているためか聞いてみたところ、「社員が残業するのはあたりまえ」という考えや「就業時間だけ働いていても競争に勝てない」という考えを、企業は持っているのではないかという意見が多かった。
残業を減らすためにどのようなことを行っているのだろうか。その方法を聞いたところ、「集中する時間と弛緩する時間のメリハリをつける」と答えた人が最も多く49.0%、ついで「一日のスケジュールをしっかり組む」と答えた人が43.6%となった。どのようなツールを用いて仕事の効率化を実現しているか聞いたところ、65.8%の人が特に何もしていないと答えた。会社には利用すれば効率化につながるツールがたくさんあると思われるが、仕事の効率化という観点では、あまり利用されていないのが現実のようだ。
最後に、ワークライフバランスという考え方が根付くか聞いたところ、約半数の人が根付くとは思わないと答えており、根付くと思うと答えた人より20ポイントも上回った。以上のことから、残業することがあたりまえ、残業している人ががんばっている人といった考え方が定着しているのに加えて、業務の効率化も属人的になってしまっている現状がうかがえる。そのため、ワークライフバランスといった考え方が根付くのは考えにくいという回答が多かったのも納得がいく。まずは、ワークライフバランスの本質的理解を促進し、会社側が社員の業務効率を改善する方法、ツールを提示しない限りは本当の意味でのワークライフバランスは実現しないだろう。
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