今回のテーマは「シニア層における通信販売の利用に関する調査」。
通信販売市場は成長の一途を辿っており、その中でもインターネット普及にともなうECサイトの拡大はめざましい。ではその成長を年齢層別に見た際、シニア層における通信販売の利用実態はどのようになっているのであろうか。シニア層に対して媒体別の利用状況および満足度や不満な点などを調査した。
今回の調査は1月9日〜1月11日で行い、全国の60歳以上79歳以下のシニア層男女の811人(男性47.6%、女性52.4%)から回答を得たほか、若年層と比較するため20歳以上39歳以下の男女からも469人(男性53.7%、女性46.3%)の回答を得た。
まず、シニア層に通信販売の経験について聞いたところ、96.1%が「利用したことがある」と回答、そのうち90.0%がインターネットショッピングの利用経験者であり、通販・雑誌カタログによる利用経験(48.7%)を大幅に上回った結果となった。最も多く利用している媒体についても、インターネットショッピングが72.8%と最も多く、シニア層にもインターネットショッピングが日常に浸透している現状が明らかとなった。
また、商品を注文する際の手段を聞いたところ、78.8%がインターネットで注文すると回答しており、商品選びに雑誌やカタログなどを利用しても、購入はインターネットで行うという人も見られるほどであったことから、決済手続きについても、シニア層には特に弊害がないことがわかった。
では、実際にはどのような商品が通信販売で購入されているか。購入経験のある品目について聞いたところ、ほとんどの品目においてシニア層より若年層の方が、購入経験が多い結果となったものの、「食料品」「家電製品」についてはシニア層の方が多いという結果が出た。
また、今後、通信販売で購入してみたいと思う商品について尋ねたところ、「ホテルの予約(40.1%)」「旅行商品(40.2%)」が多く、実際の購入経験の「ホテルの予約(27.7%)」「旅行商品(24%)」と比べると、ニーズは高いものの、実情は旅行代理店の窓口で注文していることが想定される。物品購入とは違い、サービスの購入となると、通信販売では不安や抵抗があるのかもしれない。
また、今後のECサイトの利用拡大を図る上でどのような課題が考えられるだろうか。インターネットショッピングを利用しないシニア層に対し、「利用しない理由」を聞いたところ、「店舗で直接見て購入したいから(23.7%)」が最も多く、次いで「情報漏洩が心配だから(18.6%)」「確実に商品が届くか信用できないから(11.9%)」が多い結果となったことから、ECサイト運営側は個人情報の厳重な管理や商品は確実に届けるという信頼を得るための取り組みが、今後の課題と考えられる。
最後に、インターネットショッピングに満足しているかについて尋ねたところ、82.0%もの人が満足していると回答した。若年層が91.0%だった結果と比較すると若干低めであるものの、非常に高い数値であったことから、インターネットショッピングはシニア層にとっても大変便利なものとして、生活に欠かせないサービスになりつつあるのではないだろうか。
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