今回のテーマは「リバースモゲージ」。
持ち家を担保に生活資金を得るリバースモゲージ。日本では高齢者向けの老後の生活資金供給を補う、セーフティネットとしての役割が期待されている。欧米では生活資金だけではなくレジャー資金など、生活をより豊かにするための手段としての活用も見られるものである。30歳以上の持ち家所有者1073名に聞いた。
今回の調査は6月11日〜6月13日で行い、全国の30歳以上の持ち家所有者1073人(一戸建て50.2%、マンション49.8%、30歳代24.5%、40歳代24.9%、50歳代25.2%、60歳以上(25.5%)から回答を得ている。
「リバースモゲージ」という言葉を「初めて聞いた」という人は7割以上で、「言葉は聞いたことがある」とあわせると、実に9割以上が内容を知らないということがわかった。内容を説明した上で、活用の可能性について聞くと、6割以上が将来の活用の可能性を認めており、潜在的なニーズは十分あることがわかった。
持ち家形態で見てみると、マンション所有者の活用の可能性(65.7%)が、一戸建て所有者(55.1%)よりもが高い。土地に対する愛着が相対的に強いであろう、戸建て所有者の方が、持ち家を手放すことに対して抵抗が大きいのであろう。
「リバースモゲージ」の活用の可能性のある人に活用用途を聞くと、年代別では30歳代では「生活資金」が82.5%と最も多いのに対して、年代があがるごとに「生活資金」は減り、60歳以上では34.6%が「医療費」と回答している。きわめて現実的な事実ではあるが、高齢化にう「健康リスク」に対しての不安を解消するための資金需要が大きいことを示唆している。
「リバースモゲージ」の可能性を感じさせる結果ではあるが、活用の可能性のある人に、現状での課題を提示した上で改善要望を2つあげてもらった。一戸建て所有者が「長生きした場合、貸付期間が終了してしまう、『長生きリスク』をもっとも多くあげた(47.1%)のに対し、マンション所有者は「マンションが対象にならないケースが多い」という点を課題としてあげた(77.3%)。リバースモゲージは、現状ではマンションが担保不動産として認められないケースが多いのだ。極端な土地担保評価主義の弊害であるが、マンション居住者の潜在ニーズの高さとのギャップを考えると、マンションに対する担保適用条件の緩和などは、検討に値するであろう。
今回の調査では老後の不安も聞いている。回答者の実に8割近くが老後の不安を訴えている。「年金や退職金が受け取れるか」、「預貯金などが底をつくのではないか」、「健康を害して、生活に不自由するのではないか」といった切実な不安。まさに現代人の多くが抱える悩みだ。「土地神話」時代には、長期的な資産価値の向上など、所有するメリットが多かった不動産も、少子高齢化が見込まれ、長期的には地価が下落傾向にある中では、所有することのリスクも大きくなる。このような時代の流れの中で、「リバースモゲージ」は老後の重要な融資手段として、今後ますます注目されていくであろう。
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