本田技研工業の米国法人American Honda Motorの研究開発子会社であるHonda R&D Americasが、家庭用サイズのソーラー水素ステーションの実証実験を、Honda R&D Americas Los Angeles Centerで開始した。
このソーラー水素ステーションは、Hondaの独自技術である高圧水電解システムにより水素の製造と圧縮を一体化し、コンプレッサをなくした点が特徴。これにより、小型、低騒音、低コスト化を実現したという。また、従来に比べ水素製造システム効率が25%向上したとのことだ。このステーションでは8時間で500gの水素が供給でき、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」が30マイル(約50km)走行できるという。
ステーションで水素を製造するための電力は、太陽電池発電のほか商用電源からの電力と併用することも可能。太陽電池はホンダソルテック製のCIGS薄膜太陽電池モジュールを使用している。
なお、今回の実証実験では、水素を貯蔵する高圧水素タンクを使わないシステムを採用することで、家庭に導入しやすいサイズにまで小型化したとのこと。
Hondaでは化石燃料の代替、排出ガスの削減、地球温暖化への影響の低減という観点から、燃料電池を将来の究極のクリーンパワーと考え、燃料電池電気自動車の開発に力を入れている。今後は水素製造/供給ステーションの実用化に向けた技術課題の洗い出しや、エネルギー供給の効率向上に向けた検証に取り組むとしている。
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