11月20日、マイクロソフトにおけるMac製品の開発チームであるMicrosoft Macintosh Business Unit(MacBU)のゼネラルマネージャらが来日し、次期バージョンの「Microsoft Office for Mac(次期Office for Mac)」について語った。
MacBUのゼネラルマネージャであるエリック・ウィルフレッド氏は次期バージョンの名称について、「先週も本社レッドモンドでミーティングして議論した。結論としては正式名称はまだ決定していない。次期バージョンは、Windows版の『Office 2010』と互換性を持つものになるが、名前としては(Office 2010 for Macでなく)別のものになるかもしれない」と語る。
次期バージョンのリリースは、米国におけるクリスマス商戦に向けて、10月〜11月を予定しているという。日本やその他の国でのリリース日について明言は避けたが、Microsoft Office 2008 for Mac(Office 2008 for Mac)の時と同様に、すぐにリリースしたい考えを示した。なお、2008年1月16日に発売されたOffice 2008 for Macは、Mac用Officeとしては初となる日米同時発売を実現している。
MacBUは、2009年8月に次期Office for Macにて「Outlook for Mac」を提供すると発表している。Cocoaをベースに開発することで、Outlook for Macは「Time Machine」への対応など、Mac OSとの親和性が向上する見込みだ。なお、Outlook for Mac以外のCocoa対応については、「今はOutlook for MacをCocoaベースにすると発表したのみ。スィート全体において、将来的にはその方向にいくと思うが、現段階ではまだ決まっていない」とコメントしている。
次期Office for Macは、Windowsとの互換性の向上も開発コンセプトの1つだ。MacBUでは9月に発売した「Office 2008 Business Edition」でExchange Serverもサポートし、Windowsとの親和性にも力をいれている。
また、IRM(Information Rights Management)にも対応することを明らかにしている。これはメールの権利をマネージメントすることで、メールの転送や印刷などの制限ができ、機密情報の漏出や、アクセス権を持たない者による内容の閲覧を防止できる機能だ。Windows版では古くからサポートされている。
エリック氏は「いま、上司からIRMで守られているメールを私のMacで受け取ると、これは読めません。Outlookが必要です、とメッセージエラーがでてしまう。それ(IRM機能)をMacにも持たせることで、そういうメールも読めるようになる」と説明した。
製品の開発にあたっては、ユーザーのリサーチに力をいれており、ユーザーがどのように製品を使っているのか理解した上で商品開発に反映させているという。
エリック氏は、「Office 2008 for Macから学んだことは、ユーザーはWindowsとのコンパチビリティを求めているとういこと。(Office 2004にあったが、その後外した)Visual Basicを戻そうとしている。実際に開発中のデモを見たが、新しいバージョンでVisual Basicはうまく動いている。Visual Basicを使う人は限られた人だけれども、その人たちにとっては重要な機能。これは、顧客のニーズ把握した上でそれを反映させることのひとつの例だと思う」と話す。
これまでのOffice for Macでは、さまざまな“マック ファースト・マック オンリー”機能を投入し、Macユーザーを喜ばせてきた。次期Office for Macのリリースまで約1年、MacBUでは発売に向けて、今後さまざまな情報を明らかにしていきたいとしている。
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