キヤノンは9月8日、インクジェットプリンタ「PIXUS」シリーズの新製品を発表した。インクジェット複合機「PIXUS MPシリーズ」6機種とインクジェットプリンタ「PIXUS iPシリーズ」1機種の計7機種で、9月中旬より発売する。
キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長の川崎正己氏は、最近のプリンタ市場について「近年のインクジェットプリンタは性能が一巡し、買い換えサイクルが徐々に長くなっている」と分析する。
そこでキヤノンがユーザーのニーズを満たす新しいソリューションとして新たに打ち出したキーワードが「WEBプリントに強い」だ。アンケートによれば、プリンタの用途についてデジカメ画像と年賀状に続き、「ウェブで検索した情報」と答えた人が約3割いるという。また、プリント時の不満点について、「ウェブのプリントがうまくできない」と答える人が47.8%にのぼっている。
「誰もが経験があると思うが、ウェブページの印刷は思い通りにプリントするのが意外と難しい。肝心の部分が途中で切れたり、余計な部分が印刷されてしまったりする」(川崎氏)と話す。
新モデルではウェブページを快適にプリントできるInternet Explorer7と8に対応したプラグインソフトウェア「Easy-WebPrint EX」に対応。あらかじめPC側にインストールしておくと、必要なページだけをプリントしたり、必要な部分だけを切り抜き、レイアウトしてプリントしたりできる。
さらに、標準で無線LANに対応する「MP990」「MP640」「MP560」では、パソコンだけでなく、iPhoneやiPod touchからの写真プリントもできるようにした。10月をめどにiPhone用アプリケーションソフト「Easy-PhotoPrint for iPhone」をアップルのApp Storeにて無償で公開する見込みだ。なお、従来の無線LAN搭載モデルであっても、今回のモデル以外は対応していないという。
プリンタ市場の出荷台数は、第1四半期、第2四半期ともに例年を下回っているが、PIXUSは前年並みもしくは前年を超えて順調という。川崎氏は「1年においてもっとも需要が高まる第4四半期の中でも今年はWindows 7をはじめ新しいOSが登場しており、インクジェットプリンタも昨年を上回ることを期待する」と語った。
キヤノンは、新機能を訴求することで買い換えを促進するほか、ウェブサイトでペーパークラフトや年賀状などのコンテンツを配布するなどし、用途提案をすることでプリントを促進させる。市場を活性化させ、家庭用のプリンターシェアの50%獲得を狙うとしている。
ラインアップと市場想定価格は下記のとおり。発売はいずれも年9月中旬。
PIXUSシリーズで最大となる3.8型の液晶を搭載。有線LAN/無線LANに標準対応。印刷速度は、L版フチなし写真が約17秒、A4カラー原稿は約9.1ipm。
3.0型の液晶を搭載。有線LAN/無線LANに標準対応。L版フチなし写真は約17秒、A4カラー原稿は約8.1ipm。
3.0型の液晶を搭載。無線LANに標準対応。L版フチなし写真は約33秒、A4カラー原稿は約6.0ipm。
2.0型の液晶を搭載。L版フチなし写真を約33秒、A4カラー原稿は約6.0ipm。
折りたたみ式の1.8型カラーTFT液晶モニターを搭載。L版フチなし写真を約37秒、A4カラー原稿は約4.8ipm。
光学解像度1200dpiのCISを搭載した高画質スキャナー搭載。L版フチなし写真を約38秒、A4カラー原稿は約4.8ipm。
L版フチなし写真を約17秒、A4カラー原稿は約8.1ipm。
A3対応のビジネス向けプリンタ。L版フチなし写真を約38秒、A4カラー原稿は約8.1ipm。有線LANに標準で対応。
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