マイクロソフトは8月26日、神奈川県・パシフィコ横浜でテクニカルカンファレンス「Tech・Ed Japan 2009」を開催した。
今年で15周年を迎えた同カンファレンスのキーノートセッションには、マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏が登壇した。
大場氏は、2009年のIT市場では世界的な経済危機への対応や、クラウドの活用が大きなテーマになると述べた上で、「ITがどのようにビジネスに影響を与えるか、新しいビジネスにどのように対応するか」を考えることが、業界全体の大きな課題だと語った。そして、それに対するMicrosoftの答えは、同社が提案している「Dynamic IT」だという。
Dynamic ITは、標準化されたコンポーネントを基にしながら、ビジネスの変化によりダイナミックに対応できるシステムを構築するという構想である。大場氏はDynamic ITの重要なポイントとして、ITシステムの特定の部位ではなく、システム全体の最適化によってコスト削減や変化への柔軟性を実現できることを挙げている。
例えば、運用管理を最適化することでトータルコストを削減しつつ付加価値の高いITシステムを実現できる。開発の面では、開発期間を短縮することによってビジネスニーズへの対応を迅速に行えるようになる。エンドユーザ支援は、マイクロソフトが提案する「ソフトウェア+サービス」によって強化を図ることができるという。
「ソフトウェア+サービス」とは、ソフトウェアとサービスを競合させるのではなく、同時に利用することでより高いユーザビリティを実現するという構想。大場氏は、「Dynamic ITによってITプロ、開発者、エンドユーザー、全ての立場にとっての新しい価値を提供できるようになるだろう」と語っている。
MicrosoftはDynamic ITの実現に向けて様々な製品をリリースしている。2009年から2010年にかけても多くの新製品がリリースされる予定だが、キーノートセッションでは間もなくリリースされる「Windows 7」と「Windows Server 2008 R2」、そして「Microsoft Exchange Server 2010」「Microsoft Office 2010」についてデモを交えながら紹介された。
本稿ではそのうち「Windows 7」を取り上げよう。
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