日本電信電話(NTT)は8月18日、文字に代わる単純な絵記号「ピクトグラム」を用いたコミュニケーション支援システム「VUTE(ビュート)」のパイロット版を公開した。聴覚障がい者や外国人の緊急時におけるコミュニケーション支援として開発されたという。
VUTEは、音声や文字の代わりにFlash動画でピクトグラムを再生し、聴覚障がい者や日本語を話せない外国人によるコミュニケーションを支援する。火事や交通事故、救急の3場面を想定した緊急時において、Q&A方式で絵を選択すると日本語文もしくは音声が自動で出力される。ユーザーは表示された文章を周りの人に見せたり、出力された音声をもとにコミュニケーションを図れるという。
これまでのコミュニケーション支援用の絵記号デザインに比べ、マンガや手話を取り入れた表現方法を動画で再生することで、より分かりやすく表現できるようになったとしている。動画再生環境は、Flash対応の機器もしくは専用の携帯電子情報端末となっている。
開発は、NTT未来ねっと研究所と工学院大学、沖コンサルティングソリューションズの3社により実施。総務省のSCOPE(戦略的情報通信研究開発推進制度)による受託課題として、2008年から2010年まで研究開発を進めるという。なお2008年度の研究費は1300万円。
NTTによると商用化や実用化の時期は未定。今後は緊急時だけでなく、旅行時での使用を想定し適用範囲を拡大するという。
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