ネットブックは今後もますます需要が高まる見通しだが、一方でその兄貴分にあたる従来のノートPCは、出荷数が2009年は横ばいとなりそうだ。
調査会社NPD Group傘下のDisplaySearchは米国時間7月13日、四半期ごとのノートPC市場予測レポート「Quarterly Notebook PC Shipment and Forecast Report」を発表した。それによると、ミニノートPC(ネットブック)は2009年、ノートPCの世界市場で20%のシェアを獲得する見通しだという。2009年のネットブック出荷台数は全世界で3300万台近くにのぼり、2008年の約1600万台からおよそ100%増加するとみられる。
一方、従来のノートPCの2009年出荷台数は1億2900万台と、2008年とほぼ変わらない見通しだという。そうなると、2009年は従来のノートPC市場が成長しない初めての年となる。なお、DisplaySearchは画面サイズが12.1インチ以上のノートPCを「従来型」と定義している。
地域別に見ると、2009年のネットブック出荷台数は中国で約260%、北米で約137%、ラテンアメリカで約88%と、いずれも大きく数字を伸ばすと予測される。
機能と性能では通常ノートPCに劣るネットブックだが、手ごろな価格により世界中で市場を拡大していると、DisplaySearchのレポートは指摘している。2008年は、ネットブックの45%がEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域に出荷され、ノートPCに勝る市場シェアを獲得した。
入手しやすさもネットブックの市場拡大を後押ししていると、レポートは述べている。AT&T、Sprint、Verizon Communicationsなどの通信事業者は、低価格の補助金付きネットブックを顧客に販売している。
一方、従来のノートPC市場は、それ自体がIT支出削減による新規購入の落ち込みで打撃を受けている。しかし、「Windows 7」の発売と景気回復の時期が重なれば、2010年には企業のノートPC需要が急拡大する可能性がある。
また、従来のノートPCは世界の携帯型PC市場で大きなシェアを占めており、現時点でネットブックに取って代わられつつあるということはない。
DisplaySearchのノートPC市場調査担当ディレクターで今回のレポートを執筆したJohn F. Jacobs氏は、次のように述べた。「顧客は軽量デバイスを求める一方、画面はなるべく大きいものを望んでいることは明らかだ。(ネットブックは)確かに新しい市場を作り出したが、当社の調査によると主に2台目のPCとして利用される傾向にあり、ノートPCに取って代わる存在にはなっていない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」